性依存症~やめたくてもやめられない人へ

その他の障害・病気 依存症

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私は9年ほど前から性依存症になってしまいました。なかなか人には打ち明けたりすることが難しい内容なので、もし同じ問題を一人で抱え込んでいる方がいれば、少し長いですが一度読んで頂けると嬉しいです。

性依存症とは?

性的な行動に対する嗜癖であり、精神疾患である依存症の一つです。主に性行為(性交渉)への依存が多く、セックス依存症もしくはセックス中毒とも言われてます。

米国の某有名プロゴルファーが不倫スキャンダル発覚後、この疾患にかかっていると明らかになり、「性依存症」と言う言葉が一気に広まりました。また、のぞきや痴漢、盗撮行為など他人に迷惑をかけてしまう性犯罪を犯してしまったり、性依存症には「犯罪化するタイプ」と「犯罪化しないタイプ」があり、私は「犯罪化しないタイプ」でしたが、このような不倫行為や性犯罪が原因で社会的な信用や地位だけでなく大切な家族や友人を失ってしまってたりと取り返しのつかないことになってしまいます。精神疾患とは言え、悲しむ人や被害者が出ることは決して許される行為ではありません。

ここでは分かりやすく「性依存症」を使用してますが、ICD-10による正式な診断名は「性嗜好障害」です。近年ではアルコール依存や薬物依存、ギャンブル依存と並び代表的な依存症であるという考え方が広まりつつあります。

どうして性依存症になってしまうのか?

原因は主に家庭環境にあることが多く、幼少期に両親に十分な愛情を得られることのないまま育った場合と、もう一つは発達障害の二次障害です。これは性依存だけに関係なく他の依存症もベースに発達障害が要因になってることが分かっています。

発達障害の中でもADHDの特性が目立つ人は脳の構造上の特徴として、ドーパミンが少ない傾向があることが指摘されています。人は、脳内のドーパミンが増加することで、やる気や快感が生じ、集中力を持続させることが可能です。ドーパミンの活性が低い傾向があるADHDの人は、刺激が少ないと、やる気や快感を感じることがなかなか出来ず、また、不注意から様々なミスを繰り返すことになります。無意識のうちに、何かに依存することでドーパミンの活性を高めようとしていると言われてます。その何かが人によってはお酒やタバコ、薬物、ギャンブル、ゲーム、買い物などであって、それを続けるうちにやめようと思ってもやめられない依存症という状態に陥ってしまうと考えられています。

私の体験談

私は上記のどちらとも持ち合わせていて、幼少期に母親からネグレクトなどの虐待を受けていました。その上、母は父親とは別に男を作って私を置いて逃げ、二度と帰ってくることはありませんでした。また実の父親からも幼少期に軽い性的な虐待を受けることがありました。肉親からまともな愛情を受けることなく育ったのです。

発達障害が分かったのは、大人になってからです。職場での対人関係が上手くいかず何度も転職が続いたことから、私自身に原因があるのか?といろいろと調べて病院に行ったことで判明しました。私が幼少期の頃はまだ発達障害が世に広まってもなかったので、家族や周囲からも「少し変わった子」とぐらいしか見られていなかったので、これまで生きにくさやさまざまな違和感、自己肯定感の低さはこれが原因だったことが分かって、仕方がなかったことなんだ。と思えるようになりました。

私自身、既婚者という立場なのに愛する配偶者と子どもが居るにも関わらず、なぜか満たされることない日々が続き、心の隙間を埋める様に不特定多数の人と会って"そういう"関係を持っていました。

きっかけは、まだ発達障害を診断される以前に勤務していた時です。お局様的な人から散々な嫌みを言われ、普段なら気にせず流していたのですが、その日は体調が元々優れず気分的にも落ちてしまい、パニック発作を起こしてしまいました。過呼吸と嘔吐を繰り返し、死んでしまうのではないかというぐらいの不安で押しつぶされそうでした。これでは、一人で帰宅するのは難しいと配偶者に助けの電話したところ、「忙しいから無理」と向こうも仕事の忙しさからか、冷たくあしらわれてしまいました。

そんな時に取引先の業者さんがたまたま通りがかり、とても心配してくれた上に優しく接してくださり、それからその人と"そういう"関係を持つようになりました。本当はやってはいけない行為なのは分かっているし、その行為後に自己嫌悪に陥ることも度々ありました。でも、"その時"だけはこれまでにないぐらい最高な気分と幸福感や愛情を感じることができて、これまでのもやもやだったり、嫌な気分を忘れ去ることができたのです。

試行錯誤する日々・・・

何か夢中になったり、趣味を見つけたりできず、運動なども実践してみてもこれといって続かず、それで自己嫌悪に陥ってしまったりもしました。我慢をしようとすると余計にストレスを感じてしまって、また会ってしまう負のスパイラルでした。唯一のストレス解消法が「セックス」だなんて、誰にも相談できないし、ましてや配偶者にバレてしまったら、離婚は確実で、現在無職で、自立もしてない。家事も満足にできやしないのに、一人で生きていく自信もなく、最悪野垂れ死ぬぐらいの追い込まれた状況にも関わらず止めることができませんでした。

かかりつけのメンタルクリニックで性依存症の相談をして、性欲を抑える薬を処方をしていただきました。しかし、私の場合は性欲が問題ではなく心の問題のようで、結局薬は無意味でした。主治医には入院しても治らないよと言われたぐらいです・・・。

とうとうその時が・・・

酷い時は毎日違った知らない人と会う時もありました。そんなことをしていたら、さすがに配偶者も怪しむようになり、携帯電話を奪われて、これまでの様々な人とのやり取りを見られてしまい、離婚寸前の事態に。一度バレているにも関わらず、しばらくしてから性懲りもなく繰り返してしまい、仕舞いには携帯電話の位置情報でバレてしまったことも。さすがに次こそは離婚だと思いましたが、配偶者は私のことは信用はしていないけど、好きだからと、自立していない私をほっとけないと、離婚はせずに今に至ります。

まとめ

もし、性依存で悩んでいる場合、一人で抱え込まないことが大切です。私は主治医や就労移行支援事業所の支援員さんに相談したり、配偶者と話し合うことで少しずつですが、性的衝動は以前に比べて抑えることができてます。またストレスが溜まると、衝動がどうしても抑えきれない傾向にあるので、ストレスを溜め込まないように誰にか相談したり、生活リズムを整えたり、疲れを感じたらゆっくり休むのもおすすめです。

今回こうやってコラムを書くことで、改めて自分を見つめ直したり、気づきのきっかけになりました。また、同じ問題を抱える人や似たような立場や体験を持つ方とこれまでの誰にも話せなかった悩みや不安、体験談など話し合える自助グループもあります。つらい体験を打ち明けたりするのは心苦しいかもですが、信頼できる人に受け止めてもらうことで問題解決のヒントになるかもしれません。

参考文献

【性依存症|フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】
https://ja.wikipedia.org/wiki

【依存症・大人の発達障害専門|マリアの丘クリニック】
http://www.maria-hill.jp/

【性嗜好障害(性依存症)とは?|医療法人社団祐和会大石クリニック 】
http://www.ohishi-clinic.or.jp/i

blossom*

blossom*

毒親育ちのアラフォーちゃん。ADHDとパニック障害、不安障害、その他諸々。片付けられないA型。色々と拗らせてる系です。現在は就労移行支援を利用し、自己理解を深めたり、自立に向けて無理のない程度に奮闘中です。

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