iPhoneのカメラが怖い!?~ 集合体恐怖症(トライポフォビア)
その他の障害・病気iPhone 11 Proが発表され、搭載されている3つのカメラを見て嫌悪感を覚えた人達が多く、「怖い」、「気持ち悪い」などのツイートがツイッターのトレンドに挙がったのは記憶に新しいです。中には、「タピオカカメラ」と揶揄する声もありました。私自身も恐怖まで感じなくても、忌避感がありました。何故、そういう気分になったのでしょうか。
集合体恐怖症という言葉は、いつから広まったのでしょうか?
集合体恐怖症(トライポフォビア)という言葉があります。この言葉は、2000年代頃にインターネット上で生まれた造語で、蓮の花托や小さい穴の集合体の画像(通称「蓮コラ」)を貼り付けられ、それに嫌悪感を示す人を中心に広まりだしたそうです。私自身も、インターネットの掲示板にリンクを知らずにクリックして、思わず寒気がした記憶があり、今でも苦手です。蓮の花托や、小さい穴の集合体を見て、嫌悪感を抱いたなら、あなたは「集合体恐怖症(トライポフォビア)」かもしれません。それは、たくさんの穴の集合体に恐怖を感じる恐怖症です。
集合体恐怖症に関するさまざまな仮説
2013年「Fear of Holes(穴への恐怖)」というシンプルなタイトルの論文が発表されました。イギリスでの2人の研究者が初めて、この恐怖症を学問的に解明しようと試みたのです。研究の対象となった成人約300人のうち、約16%が小さな穴の集合体に、直感的な嫌悪を抱いていると分かりました。研究チームはこの結果を受け、「クモやヘビなど毒を持つ動物の一部は、似たような集合体模様を持つため、こうした嫌悪感は、進化の過程で脳に刻まれた記憶ではないか」と結論づけました。
また別の仮説もあります。小さな穴やブツブツの集合体に恐怖を抱く人々は、寄生虫や伝染病など病気に連想して、不安を感じている可能性があるというものです。研究チームは「天然痘、はしか、チフスなどの伝染病の症状として皮膚に現れる斑点状の模様が、日常生活で目にする似た模様への過剰な反応を引き起こしているかもしれない」と論じています。
さらに、2018年には「トライポフォビアは恐怖症ではなく、人間の本能的嫌悪感である」とする論文も発表されています。
あくまで、全て仮説の段階ですので、はっきりした答えは出ていません。
一体何に似ているのでしょうか?
蓮の花が散った後の「果托」以外に、何に似ているかをインターネット上で検索していると「蜘蛛の目」に似ていると書き込んでいる方がいました。iPhone 11 Proのカメラの無機質なステンレスの感じが、蜘蛛の目の異質な感じを連想させます。綺麗な円形に澄んだ黒や光沢感がまさに「蜘蛛の目」にカメラの形と重なり、嫌悪感を催しました。蜘蛛が嫌いという人は、多いのではないでしょうか?私自身も苦手です。何故、苦手かと問われても、子供の頃から苦手としか答えるしかありません。
スマートフォンのカメラのデザインで、ここまで世界中の人の話題をさらったことは、メーカーにとっては、意外な宣伝効果があったのかも知れません。
参考文献
【ログミー 蓮、ハチの巣、スイスチーズ…穴の集合体に恐怖を感じるのはなぜ?】
https://logmi.jp/
【ナショナルジオグラフィック ブツブツ恐怖症の原因に新説、トライポフォビア】
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/
【恐怖症 - Wikipedia】
https://ja.wikipedia.org/
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