アフターコロナで変わる障害者雇用の今後の予想~就職氷河期の再来か?
暮らし 仕事出典: Photo by Martin Balle on Unsplash
緊急事態宣言の影響で、障害者求人が激減しています。ある県では、4月の障害者求人がほぼ0になるまで落ち込みました。このままでは、右肩上がりだった雇用率にブレーキが掛かる恐れもあります。なんだか、バブルが弾けた就職氷河期真っただ中、就職活動に苦労したことを思い出します。
過去のデータから見る予想
過去のデータを見ると大きな不況の後は、少なくない企業で採用の凍結や、採用予定人数の削減をしていることがわかります。特に就職氷河期は約10年、リーマンショックは約2年、東日本大震災では約1年間、障害者雇用が大きく落ち込んでいます。今回のコロナウイルスがもたらした経済への影響はリーマンショックの10倍以上と言われています。この影響が何年続くか不透明ですが、既にコロナウイルスを原因とした企業の倒産が報道されています。やはり、しばらくは採用が少なると予想されます。
これから予想される変化
緊急事態宣言で、企業では一気にリモートワークが広がりました。このことから、今後は合同企業面接会などの対面型の採用イベントは大きく数を減らし、リモートでの面接が一気に進むと予想されます。
特に障害者雇用においては、民間企業やハローワークが主催する合同企業面接会は、企業と出会う数少ない選択の1つです。これらが無くなることによって、障害者と企業の機会損失は大きいでしょう。また障害者雇用の採用は、実習を通して就職に結び付くパターンも多いですが、企業の実習担当者が在宅勤務をしており対応できないなど、こちらもコロナの影響を強く受けています。アフターコロナで採用方法にどんな変化が起きるのか、少し様子見する必要がありそうです。
本当に障害者求人は減ってしまうのか?
先日、株式会社kaienが行った「コロナウイルスによる影響で、障害者雇用で採用の変更はあったのか」というアンケート調査では、コロナウイルスの影響以前は、「障害者雇用の拡大に対して前向き」とした企業が70%程度とありました。影響後も、これまでと変わらないと答えた企業も半数近く占めています。しかし、以下のような懸念も出ています。
合同面接会などのイベントの中止延期が余儀なくされ、企業の採用活動が停滞している。
求職者の動向としても新型コロナウイルスへの懸念による「応募控え」が一定程度出ているかもしれない。
採用活動のオンライン化など、柔軟な採用活動の方針転換が企業によって遅れている傾向がある。
多くの企業が、新型コロナウイルスへの対応をどれくらい続けるべきかの、見通しが立てられていない。
終わりに
「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」から、新型コロナウイルス感染症に伴う、障害者雇用納付金の納付猶予の特例について発表がありました。新型コロナウイルスで、20%以上売り上げ減少した企業に向けて、障害者雇用納付金の納付猶予の特例が1年間の猶予が与えられるようです。これらが今後の障害者雇用にどの程度、影響を及ぼすか注視する必要があります。
参考文献
【エンカレッジ コロナウイルスが障害者雇用に与える影響について考える】
https://en-c.jp
【毎日新聞 動き止まった求人に不安感じる就活中の障害者たち就労支援事業所の代表が語る対策】
https://mainichi.jp
【kaien 緊急アンケート「コロナウイルスによる障害者雇用への影響」結果レポート採用活動は停滞、再開の見通し立たず。】
https://www.kaien-lab.com
【独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構】
https://www.jeed.or.jp
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