ウェルニッケ失語症とは?その症状や原因は
その他の障害・病気ウェルニッケ失語症とは
失語症の基本分類のうちの1つです。失語症は運動性失語、感覚性失語、健忘失語などに分けられ、ウェルニッケ失語は感覚性失語に当たります。
ウェルニッケ失語症の症状
流暢で多弁ですが、情報量の少ない会話です。人の話は単語レベルしか理解できません。復唱はできませんし、文字は書くことは出来ても理解不能です。人によっては書けない方もいます。読むことは出来る場合がありますが、困難なケースが多いです。体に軽度の麻痺を伴う場合があります。
私達が相手の話を聞く時、まず無意識に音が耳から入ると音素と呼ばれる話の意味を区別する機能を持つものを認知します。次に脳の中にある単語を調べます。脳の中にある単語と照らし合わせていって意味を理解します。
ウェルニッケ失語症の場合、音素を認知する段階に障害があり、音を聴いても正しく脳内の単語を調べることが出来ないのです。例えば会話の中で鷹(taka)と坂(saka)が出てきたとします。この2つの単語の違いは最初の文字の子音がtかsかの違いしかありません。これらが音素となります。私達は聞き分けることができますが、ウェルニッケ失語症の方達は区別がつかないのです。そのため、遠くから聞いていると会話が成立しているように聞こえますが、質問や会話に合った受け答えができなかったり、単語や音の言い間違いが起きやすくなります。
ウェルニッケ失語症の原因
脳血管障害である脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがウェルニッケ失語症を生じる多くの原因だそうです。他には事故による脳外傷、アルツハイマーなどの変形疾患、ヘルペス脳炎などの感染症、一酸化炭素中毒、脳腫瘍があります。それらが原因となって言語野のウェルニッケ領域と呼ばれる他人の言葉の理解する所がある側頭葉の上側頭回・後部を損傷し、引き起こされます。
ウェルニッケ領域は耳から脳に音を届ける所が近いので、耳から言葉を理解しづらくなるのです。実際にはウェルニッケ領域周辺も損傷していることが多くあるそうです。そのため、文字の読み書きにも障害を持つ方が出てくるのです。
まとめ
ウェルニッケ失語症は認知症や精神疾患と間違われることがあります。しかし、耳からの言葉の理解がとても難しいだけで、コミュニケーション能力はあります。言い間違いや話がかみ合わない事を指摘したりせず、ゆっくりと分かりやすく、ジェスチャーを交えて話してあげるといいでしょう。
参考文献
失語症_コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%A4%B1%E8%AA%9E%E7%97%87-74033
ウェルニッケ野_Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%B1%E9%87%8E
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