思考の障害〜妄想①

統合失調症

unsplash-logo Maria Teneva

妄想とか被害妄想という言葉を耳にする機会は意外とあると思います。一般的に日常で安易に使われていることもありますが、妄想は実は奥深くて重い病です。妄想とはどのようなものなのか、精神疾患なかでも特に統合失調症で見られる妄想の症状について、簡単に触れたいと思います。

妄想

妄想は統合失調症のみならず、多くの精神疾患でみられます。妄想とは、現実でないことを現実だと思い込む事です。また、明らかに誤った内容を強く確信しており、誰からの訂正も不可能な思考のことを言います。要するに疑念ではなく確信なのです。妄想の内容は不合理で現実にはあり得ないことが多いのに、本人は本気で信じきっています。そんな自分をおかしいとは自覚していません。要するに自分が病気であるという認識がないのです。謝った内容を信じ込み、誰からの訂正も受けない状態は、周りからはやっかいこの上ないかもいれませんが、本人にとっても苦しい状態です。なぜなら、自分の抱えている不安や悩みを近しい人に訴えても「そんなことない」と否定されるからです。また、妄想という症状に付随して不安やイライラなどいろいろな感情が生まれます。

私も若い頃、私がしていないことを私がしているかのように思われている、誤解されていると言った妄想がよくありました。周囲の人は「被害妄想や」と言いますが、私は被害妄想ではなく、私のことを快く思わない人たちの仕業だと思っていました。何とか証拠を見つけて自分の疑いをはらそうと思っていたことがあります。今思えば、やはり私の被害妄想だったと思います。

妄想には例えば「誰かに殺される」といった、何の脈絡もなく発生する一時妄想というものがあります。例えば「最近体調が良くないので、何かの病気にかかっている。」などのような、状況・感情・性格に反応して発生する脈絡がわかる二次妄想というのもあります。また、一次妄想には統合失調症で発症する妄想気分、妄想知覚、妄想着想の3つがあります。

1妄想気分
妄想気分とは、根拠や理由がないのに不気味さを感じて、不安や恐怖感を抱くことです。悪化すると、恐怖で何もかもが終わりであると感じる体験をします。私の場合、根拠のない不安はありましたが、不気味さはありませんでした。ただ、不安に苛まれドキドキしながら過ごす時がありました。

2妄想知覚
知覚、いわゆる聞こえたり、見えたり、触れたりと言った感覚に対し、何の脈絡もない妄想を引き起こします。直感的に独特の異様な意味づけをしてしまうので妄想知覚といいます。私には自分に思い当たる点があります。聞いたこと、見たことに対して、独特の意味づけをし物語化してしまうのです。

3妄想着想
何もないのに、ある思いが突然浮かび、妄想が急にひらめくことをいいます。私は何のないのにではなく、過去の事実に対して、突然思い浮かび、頭の中で話が膨らむ、要するに妄想化することが度々ありました。

被害妄想

被害妄想については、またの機会に詳しく記述しますが、ここでは簡単に触れておきます。

起こった出来事に対して、なんでもかんでも自分に関係があると感じてしまったり、自分を攻撃しているように思ったりしてしまうことです。私の場合は、起こった出来事に対してだけでなく、自分の頭の中で考えて、起こりそうな出来事に対しても、自分に関係がある、自分が攻撃されていると思ってしまっていました。

まとめ

上記のいずれも、統合失調症で多く見られる症状です。このコラムを書いていて、書き切れないほど私も心当たりがありました。症状に共感するだけでなく、今でももしかしたら当てはまる症状があるかもしれないし、今はなくても今後症状として現れるかもしれません。そんなことがないように、服薬を欠かさず自分の体調管理をしっかりとやっていこうと思います。

▶続きのページ:思考の障害~妄想②

参考文献

精神疾患にかかわる人が最初に読む本
著・イラスト原案:西井重超
はたらく人・学生のメンタルクリニック院長

yukoばばあ

yukoばばあ

52歳。30代から統合失調症になる。40代になって強迫性障害も発症する。幻覚、幻聴、妄想状態になり、現実と妄想の区別がつかなくなるが、入院治療と退院後は服薬治療で症状は治まり安定している。強迫性障害は継続中で、すぐに不安になり確認行為が続いているが、少しづつ回復に向かっていると思う。これまでに事務職や相談援助職をを経て、現在人生最後の就職活動中。自分が建てた家の中庭を見ながら過ごす休日に癒されている。

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