膠原病(こうげんびょう)とは?その特徴と治療法

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出典:https://www.photo-ac.com


『膠原病』という言葉をお聞きになったことありますか?膠原病の多くは女性に好発し、特に、若い働き盛りの20歳代から40歳代に発病します。医療の進歩により生命予後の改善がなされていますが、反面、長期療養を必要とする患者が増加しています。膠原病に含まれる病気は、未だ原因不明な部分もあります。そこで、本コラムでは膠原病について取り上げたいと思います。

膠原病は病名ではない



膠原病(Collagen Disease)は、病理学者ポール クレンぺラ―博士(1887-1964)が1942年に提唱した病気の考え方であり、病名ではありません。

膠原病の由来は、細胞と細胞を結合させる『膠 にかわ』の異常が『原』因で起こる『病』と言われています。従来、人間の病は、細胞が病み⇒組織が病み⇒臓器が病み⇒人が病むと考えられていました。しかし、細胞と細胞、組織と組織、臓器と臓器の結合部分=接着部分つまり くっつける膠(にかわ)部分=膠原線維に炎症を来す病気 をクレンペラー博士が発見したのです。
  
しかし、その後、膠原病が研究される中で「膠原線維に異常が見られないものがある」、「結合組織の以外の成分の異常でも起こる」、「フィブリノイド変性は膠原病だけに限ったものではない」ということがわかり、このようなことから、膠原病という名前は不適切であるとされ、欧米では、「結合組織疾患」や「リウマチ性疾患」と呼ばれています。 一方、わが国では「膠原病」の名称は語呂の良さもあり、ともすると病名としても誤用されるきらいはありますが、現在でも広く定着しています。


膠原病の特徴と症状



膠原病は、『自己免疫疾患』 『リウマチ性疾患』 『結合組織疾患』の3疾患を兼ね備えたものです。

・自己免疫疾患:自分で自分の身体の成分を攻撃してしまう病気
・リウマチ性疾患:痛みの原因となる物質が体の中を流れて、関節・筋肉・骨などの運動器官の痛みを伴う病気
・結合組織疾患:結合組織に病変の主座があり、多数の臓器の障害を伴う病気

膠原病に含まれる病気には、古典的膠原病と分類される全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、強皮症、皮膚筋炎および多発性筋炎、結節性多発性動脈周囲炎、関節リウマチなどがあります。

現在ではこれらの疾患に加えて、シェーグレン症候群、混合性結合組織病(MCTD)、多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグ・シュトラウス症候群)、顕微鏡的多発血管炎、高安動脈炎(大動脈炎症候群)、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、リウマチ性多発筋痛症、好酸球性筋膜炎、成人スティル病、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、再発性多発軟骨炎、ベーチェット病、サルコイドーシスなども膠原病関連疾患に含まれます。ちなみに、厚生労働省が特定疾患治療研究対象疾患 (いわゆる難病)に指定し、公費補助される疾患もありますので、疾患毎にご確認ください。

上記のような膠原病に含まれる病気にはいくつかの共通性があり、次のような特徴がみられます。

①症状として発熱、疲れやすい、関節痛、筋肉痛、こわばりなどがみられ、これらは全身性の炎症によって生じます。骨・関節や筋肉に痛みとこわばりがある場合には、リウマチ性疾患という範疇に含まれます。
②全身の結合組織が侵され多数の臓器が障害されます。結合組織が侵される病気は、膠原病以外にもたくさんあり、これらは結合組織疾患という範疇に含まれます。
③免疫の異常がみられます。免疫の異常では、自己の成分に対して異常な免疫反応が生じているのではないかと考えられています。これは自己免疫と呼ばれていますが、これによって生じる病気は自己免疫疾患という範疇に含まれます。
④かかりやすい体質は受け継がれることがありますが、はっきりとした遺伝性はありません。従って、遺伝病ではありません。
⑤他の人にうつる伝染病ではありません。
⑥悪性腫瘍(癌)ではありません。
⑦リウマチ熱以外は明らかな細菌によって起こる病気ではありませんので、抗生物質は効きません。
⑧ほとんどの膠原病の治療には炎症と免疫を強力に抑えるステロイド(副腎皮質ホルモン)が第一選択薬として用いられます。


膠原病の治療・課題



ほとんどの膠原病の治療には炎症と免疫を強力に抑えるステロイド(副腎皮質ホルモン)が第一選択薬として用いられます。ステロイドの効果が十分でない時、副作用などでステロイドを早く減らしたい時には免疫抑制薬が用いられます。免疫抑制薬にはシクロホスファミド(エンドキサン)、アザチオプリン(イムラン、アザニン)、メトトレキサート(リウマトレックス)、シクロスポリン(ネオーラル)、タクロリムス(プログラフ)、ミゾリビン(ブレディニン)、ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト)など多くの種類があり、病気・病態によって使い分けられます。

膠原病専門医が少なく、地域格差があります。そのため、病気が見つかりにくく確定診断が遅れたり、通院や入院も困難であり、また、長期に渡ると費用もかさむ場合があります。



膠原病に含まれる病気にはいくつかの共通性がみられますが、一つ一つは独立した病気で、それぞれ特徴的な症状があり、治療法も違いますので、医療機関へ相談してみてください。これからは、膠原病の原因究明と原因療法の開発が急速に進められると思いますが、さらに予後を良くし長生きするために生活習慣病などの病気の予防にも留意しましょう。


参考文献

京都大学医学部付属病院 免疫・膠原病内科
出典:http://www.rheum.kuhp.kyoto-u.ac.jp/
 
医療法人東永内科リウマチ科 膠原病のお話 
出典:http://www.touei-clinic.jp/
 
全国膠原病友の会 膠原病とは
出典:http://www.kougen.org/index.html

障害者ドットコムニュース編集部

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