筋ジストロフィーとは?〜筋肉が再生されない難病
その他の障害・病気「筋ジストロフィー」とは、全身の筋肉が壊れやすくなり、またその筋肉が再生されにくい。といった症状をもつ色々な疾患の総称です。平成27年の7月より、指定難病となっております。日本での患者数は約25,000人と言われています。今回はその「筋ジストロフィー」について調べた事を書いていこうと思います。
筋ジストロフィーの原因とは?
人の遺伝子の中にはみなさんの中でも沢山の「変異」を持っています。表に何の変化も現れない変異が大半ですが。その中のいくつかの変異は「筋ジストロフィー」となって現れます。
どのような症状がでるのか?
症状の出る場所、症状の出始める年齢は疾患によったり個人差があり様々です。筋力が低下し、体を動かす事が困難になったり、呼吸や、嚥下(飲み込む事)、血液の循環機能等に障害が出たりします。疾患によっては脳や耳、目、内臓等に合併症や機能障害を伴うものもあります。
筋ジストロフィーと遺伝
筋ジストロフィーの原因となる遺伝子変異は、親の世代から引き継がれていく場合と、突然変異で生じる場合があります。例えば「デュシェンヌ型」の筋ジストロフィーでは、日本の患者の4割は突然変異によるものだと報告されています。色々と遺伝の仕方は異なりますが、筋ジストロフィーで見られる遺伝形式はX染色体の連鎖、常染色体優性遺伝形式、常染色体優性遺伝形式があります。X染色体連鎖の場合、男児のみ1/2の確率で遺伝発症します。常食体色優性遺伝形式の場合次世代への遺伝は男女の区別無しで1/2で発症します。常染色体劣性遺伝形式では一対の遺伝子の療法に変異が存在する時に発症し発症者同士の婚姻では遺伝確率は1/4とされています。
50以上の原因遺伝子が解明さており。代表的な病型としては、デュシェンヌ型ジストロフィン異常症、ベッカー型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型ジストロフィー、眼咽頭筋型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィーなどがある。
筋ジストロフィーの特徴
運動機能低下を主な症状とし、病型によって発症時期や進行速度にはさまざまなものがある。動揺性歩行などの歩容異常、階段の昇降艱難、転倒といった歩行障害が現れるものや、顔面肩甲上腕型では上肢の挙上困難、筋強直性ジストロフィーは握力の低下などが発症する。先天性の筋ジストロフィーでは、出生の早期より運動能力の発達が遅延するが、まれに福山型では、知的発達障害や網膜剥離などの眼合併症も認められる。
筋ジストロフィーの診断
診断の基準として乳幼児の早期から、運動発達の遅延、筋力低下、筋緊張の低下を主症状とする。病気の進行にともない、間接拘縮などの骨格の変形を伴うことが多い。血清チェックの検査所見として筋の壊死を反映し、大半の筋ジストロフィーの値で高値を示す。また、骨格筋画像としてCTやMRIの評価が有用である。現在において確定診断に最も有効な評価法が筋病理学であり免疫組織学的な手法をもちいる事で病気に迫る所見を得ることができる。遺伝子診断では、福山型では確定診断を保健療養のなかで行う事ができるとされている。
福祉制度として
筋ジストロフィー患者が利用できる福祉制度についてお話します。筋ジストロフィー患者に対する福祉支援は以下の物があります。身体上の障害を軽減して日常生活を暮らすために医療が必要な場合は、成人の場合は更正医療、児童の場合は育成医療を各自の指定医療機関で受けられます。受診の際は本人または家族の収入に応じ、一部負担金が必要になる場合もございますので、詳細は市福祉事務所や町村役場福祉担当課の窓口でお尋ね下さい。
育成医療の対象者としては「身体に障害がある、またはその障害を残すと認められる満18歳未満の者」手続きとしては、「育成医療給付申請書」、指定医療機関の医師が作成した「育成医療意見書」「世帯調査書」「所得税、市町村民税の課税証明書」「保険証」を添えて保健所へ申請すると給付範囲として「診察」「薬剤又は治療材料の支給」「処置、手術およびその他の治療、施術」「病院または診療所への収容」「看護」「移送」が受けられる。校正医療の対象者としては「身体障害者手帳を受けている満18歳以上の者」手続きとしては、「厚生医療給付申請書」「厚生医療指定医療機関の医師が作成した更正医療意見書」「保険証」を添えて申請するが、身体障害者更生相談所の判定が必要とされる。窓口としては市福祉事務所、役場の福祉担当課となり、給付範囲は育成医療と同じである。
その他、福祉制度の給付項目として。盲導犬の給付、自動車運転免許層取得費、自動車改造費、駐車禁止除外指定の交付、スパイクタイヤの使用。生涯住宅整備資金の貸付、生活福祉資金(住宅資金)、住宅金融公庫の割増融資、高齢者・障害者向けの重役設備補助。旅客鉄道運賃の割引、旅客船運賃の割引、有料鉄道交通費の割引、航空運賃の割引、バス運賃の割引、タクシーの運賃割引、NHK受信料の割引、NTT電話番号の無料措置。所得税・県市町村税や預貯金の利子非課税、相続税、自動車取得税、自動車税。郵便による不在者投稿、生活福祉基金、公営住宅の優先入居。等がある。
平成から令和へ移ろうとしている現在も筋ジストロフィーの根本的な治療薬はありません、しかし、医学の進歩はめざましく、複数の疾患で新薬の開発が進められているようです。また、筋疾患以外のために開発された薬が筋ジストロフィーに効果をもたらさないかという研究も進められています。筋ジストロフィーは症例の少ない疾患ですので、治療開発研究にも症例が不足しがちです。これらを解決する為に現在では複数の筋ジストロフィーで医学情報の登録が進められています。
参考文献
日本筋ジストロフィー協会
https://www.jmda.or.jp
小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp
難病情報専センター
http://www.nanbyou.or.jp
その他の障害・病気