思考の障害~妄想②

その他の障害・病気
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妄想は怖い現象です。私も経験しましたが、現実との区別がつかず、妄想を現実だと信じてしまいます。傍から見たら意味不明なことを言っていると思われていることに気づかず、それどころか、自分は正しくて、周りが現実を理解していないように思ってしまいます。時には周りに理解されないことが原因で事件までおこることがあります。妄想と言ってもたくさんの種類があります。ここでは、うつ病や躁うつ病が原因で起こる妄想について簡単に触れてみたいと思います。

微小妄想

うつ病の特徴として、自分のことをダメ人間だと思う罪責感があり、自分をマイナスに評価してしまう特徴があります。このような心理状況で妄想化する重篤なものを微小妄想と言い、主に3つあります。

1心気妄想:「自分は健康ではない、病気だ」と自分の健康状態をマイナス評価してしまいます。例えば、自分はがんのような不治の病にかかっているのではないかと言ったようなマイナス思考です。この妄想はひどくなると自殺を考える人もいるそうです。私は過去にうつ病になったことがありました。眠れない日が続いて、何もする気が起きませんでした。そして、頭の中で過去のことを思い出しては、マイナス思考で考えて不安や心配を募らせては疲れていました。最終的に精神的にも肉体的にも疲れ果てて、死にたいと思ったことを覚えています。

2貧困妄想:「自分にはお金がない、むしろ借金がある」と思い込み、自分の所持金を過小評価してしまいます。うつ病の症状が重くて入院を勧めても、「お金がないから入院できない」という人もいるらしく、妄想による借金苦から自殺を考える人もいるそうです。私の場合は逆に、貧困妄想のような症状はありませんでした。逆にお金がたくさんあるように思い、お金を使いすぎる傾向があったように記憶しています。

3罪業妄想:自分のことをちっぽけで、社会では役立たず、自分がいることで社会に迷惑だと思い込んでしまいます。自分の社会的価値をマイナスに評価する症状です。これも重症になると自殺を考えてしまう人もいます。私の場合は自分が社会的に迷惑な存在とまでは思いませんでした。ただ、何をやっても自信がなく不安で、その点においては、自分はダメ人間だと思い、自分に全く自信がなかったです。

誇大妄想

躁うつ病で現れる症状ですが、統合失調症でもみられることもあるそうです。自分は何事にも優れているすごい人間と思い込み、周りに対して高圧的になったり、攻撃的になったりします。誇大妄想には主に3つの種類があります。 1健康妄想 自分は病気になるはずがないと豪語するほど、自分の健康状態に自信がある状態です。 2宗教妄想 自分を神や教祖などのようなあがめられる人物だと思ってしまいます。 3血統妄想 自分の血統を高貴な人物だと思ってしまいます。 統合失調症の妄想のほとんどは継続しますが、躁うつ病の躁状態は数週間しか続かず、このような躁状態での妄想も一過性です。

まとめ

過去の自分の症状を思い出してみて、当てはまる点が意外と多かったように思います。自分は病気じゃないと思い込んでいましたが、やはり重篤な病気だったとあらためて確信しました。こうやってコラムを書くことで自分を振り返り二度と症状がでないように対処していこうと思います。

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参考文献 

精神疾患にかかわる人が最初に読む本

著・イラスト原案:西井重超

はたらく人・学生のメンタルクリニック院長

yukoばばあ

yukoばばあ

52歳。30代から統合失調症になる。40代になって強迫性障害も発症する。幻覚、幻聴、妄想状態になり、現実と妄想の区別がつかなくなるが、入院治療と退院後は服薬治療で症状は治まり安定している。強迫性障害は継続中で、すぐに不安になり確認行為が続いているが、少しづつ回復に向かっていると思う。これまでに事務職や相談援助職をを経て、現在人生最後の就職活動中。自分が建てた家の中庭を見ながら過ごす休日に癒されている。

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