飲み過ぎ注意!水中毒、多飲症をご存知ですか?前編
その他の障害・病気皆さんが毎日飲んでいる水。夏場は特に熱中症や脱水になりやすくこまめな水分補給が大切ですよね。しかし一方では水を飲み過ぎてしまう方がいらっしゃるのも事実です。今回は水を飲み過ぎてしまったらどんなことが起こるのか、多飲症の当事者がお話していきたいと思います。
水にも致死量がある
私たちの体の60%~70%は水分で出来ていると聞いた事はありませんか?これを聞けば考えるまでもなく、水は私たちが生きていく為に必ず必要な物だということがお分かりいただけるでしょう。しかし水にも致死量というものが存在し、一説では一度に6リットルと言われています。私がその事を知ったのは、多飲症という病気になってからでした。致死量と言うと、薬剤や毒物などを想像しがちですが、実は私たちが普段食べている食べ物や飲み物全てに致死量があるのです。例えば一日にチョコレートなら板チョコ85枚、コーヒーなら70杯、塩だと小さじ48杯といった具合です。「そんなに食べないわ!」という声が聞こえてきますが、これは致死量なので死ぬ前に中毒を起こす量があります。、中毒を起こさない為にはコーヒーだと一回の摂取は1.5杯で一日3杯までが目安です。水だと成人男性で一日3リットルが目安です。死に至らしめるまではいかなくとも、日常の食べ過ぎ、飲み過ぎで中毒症状を起こすことは(稀ですが)ありえるのです。
一日2リットル
よく「水は一日2リットル飲みましょう」と聞きますが、それは人間が生命維持において一日に1.5~2リットルの水分を失うからです。人間は水だけでなく食べ物からも水分を摂取しているので、液体として摂取しなければならないのはもっと少ない量でいいということです。一般的な食事で摂取できる水分量は1リットルと言われているので、液体として摂取する水分量は1リットルあれば充分ということになります。ただ、健康な人が毎日液体として2リットルを飲んでも問題ないと言われていますので、普通の方が少し多めに水を飲んだからと言って病気になったり体調が悪くなったりすることはありません。
注意して頂きたいのは、精神疾患を患っている方です。精神疾患を患っている方はその症状や服用している薬などから多飲傾向になることが分かっています。またストレス過多やダイエットによる多飲も水中毒の原因の一つとされていますので、持病をお持ちの方などは一日の水分量にも気を付ける必要があります。 また反対に、高齢者の方は高齢と言うだけで腎機能が弱っており、普通に水分を摂っても吸収がしっかり出来ません。なので自分で充分に水分を摂っていると思っていても脱水になる方が多いのです。
たくさん飲み過ぎるとどうなる?
では、実際に水を飲み過ぎて中毒症状を起こすとどうなるのでしょうか?まずは疲労感やめまい、頭痛などが現れます。疲労感といっても頭に、もやがかかった感じになったり、だるさを感じたりする程度で収まることもあるので、気付かないこともあります。頭痛も軽いものだけで治まることもあれば、頭が割れそうになることもあります。そして、多尿、頻尿の傾向が出てきます。沢山飲んでいるのだから尿量やトイレの回数が増えるのは当然ですよね。次に下痢や嘔吐、痙攣など身体症状がひどくなっていき、意識障害、昏睡を起こします。痙攣は脳が水でむくんでしまうことによって起こると考えられています。最後は心不全や呼吸困難で死亡するそうです。また身体症状が悪化していく過程で精神症状が出てきたり、性格変化を起こすこともあります。こんなに恐ろしいことが起こるのに私はまだ水を大量に飲むことをやめられません。それが多飲症の怖い所なのです。
今回は水を沢山摂りすぎるとどうなってしまうのかをお話しました。これを読んで水分の摂取が怖くなってしまった方もいらっしゃると思いますが、先ほども書いた通り、普通の方が多めに水分を摂ったからと言って、問題になることは、まずありません。ではどのくらい飲めば多飲症になってしまうのか…次回のコラムで水中毒、多飲症と言われる私の摂取量や生活ぶりがどんなものなのかお話しようと思います。そうすればなぜ水を沢山飲むだけで“病気”と言われるのかをご理解頂けるでしょう。
▶次の記事:飲み過ぎ注意!水中毒、多飲症をご存知ですか?後編
参考文献
「水中毒」 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki
「水中毒を起こす5つの原因と、対策方法!」 EPARK
https://epark.jp
「高度8000m、水6リットル、塩小さじ48杯など、あなたを殺す予想外の物あれこれ」 GIGAZINE
https://gigazine.net
「カフェイン中毒|症状や治し方、過剰摂取にならないコーヒーの飲み方」 カフェルテ
https://cafelte.com
「適切な水分摂取」 KYORIN
https://www.kyorin-pharm.co.jp/
その他の障害・病気