10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です
その他の障害・病気毎年10月10日は「世界メンタルヘルスデー」といい、WHO公認の正式かつ国際的な記念日として定められています。しかし、日本国内での認知度は低く、何のための記念日なのかすら把握している人は少ないです。世界メンタルヘルスデーとは具体的にどういう日なのでしょうか。
オランダ生まれの国際デー
世界メンタルヘルスデーの発祥はオランダのNGO団体「世界精神衛生連盟」で、当初から10月10日を「世界メンタルヘルスデー」と呼んでいました。これが後々WHOにも認められ、正式な国際デーとなったのです。「世界精神保健デー」とも呼ばれています。
国際デーを定めた理由としては、メンタルヘルスに対する世間の関心を高め、正しい知識が広まるよう当事者などが体験発表する場を設けるためと言われています。
何をする日なのか
世界メンタルヘルスデーは具体的に何をする日なのでしょうか。12月1日の世界エイズデーや4月2日の世界自閉症啓発デーとは違いがあるのでしょうか。
具体的に何を行うかまでは決まっていませんが、国際デーだけあってこの日にメンタルヘルスの啓発イベントを予定しているところは多いです。シンポジウムなど考える機会も集中しています。
世界エイズデーのレッドリボンや世界自閉症啓発デーのブルーリボンに相当する「アウェアネスリボン」としては、シルバーリボンが選ばれています。銀色には「曇り空から差し込む陽光」という意味が込められており、精神疾患に対する社会的障壁を克服しようという意志を含んでいます。
シルバーリボンはカリフォルニア生まれ
シルバーリボンは1993年にカリフォルニア州の弁護士が発案しました。その弁護士は長男が統合失調症になったのを契機に、「誤解や偏見で悲しむだけでは何も変わらない」と奮起したのです。ハンドメイドの銀色リボンを旗印に地道な活動を展開し、やがて全米やアメリカ国外へと広まっていきました。
日本に入ったのは2002年で、福島県楢葉町(ならはまち)が先んじてシルバーリボン運動を行いました。そのまま楢葉町が日本支部として定着し、東日本大震災以後はいわき市に移転して活動しています。
WHO公認はとても大きな意味を持つ
世界メンタルヘルスデーは元々オランダのNGO団体が始めたことなのですが、これをWHOが公認して公式な国際デーとなったことには大きな意味があると思います。「メンタルヘルスの不調はれっきとした病気であって、甘えだとか根性不足だとかそういった気合で乗り切れるものではない。」と世界的に認められたも同然なのです。
シルバーリボンにしてもカリフォルニアの一弁護士が始めた運動に多くの支持が集まったことで世界共通の旗印となりました。それほどまでに、精神疾患への正しい理解が現代人には求められているといっても過言ではありません。
参考サイト
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