緊張しやすい性格

私は人前で緊張しやすく、特に初対面の人が相手だと声がうまく出なかったり、しどろもどろになってしまいます。うまく話そうとすればするほど焦ってうまく考えられなくなり、言葉も出てきませんし、冷や汗をかいたり、緊張で喉がキュッと詰まった感じになり、小さな声になってしまいます。今回は、そんな状態を少しでも克服したいと思い、対処法を調べてみました。

なぜ緊張するのか

まず、人はなぜ緊張するのでしょうか。緊張するのは人の「防衛本能」です。人前で話さなければならない時、「失敗したらどうしよう」とか「変に思われていないだろうか」などと思うと、脳が恐怖や不安と感じ、防衛しようとしてしまうのです。つまり、緊張とは人間としての機能が正常に働いているということなのです。

そして、なぜ人前で話そうとすると声が震えたり、出にくくなったりしてしまうのかというと、精神的不安、ストレスなどで緊張状態が極度に達すると、声帯の筋肉が痙攣を起こして口の中が乾き、声を出すのに不具合が生じてしまうからです。

さらに緊張したり不安になったりすると、知らず知らずのうちに呼吸を止めてしまったり、浅い呼吸になってしまいます。すると酸素不足になり、気分が悪くなったり頭の回転が悪くなったりして、よけいにうまく話せなくなってしまうのです。

色々な対処法

では、そんな時どうすればうまく話せるようになるのでしょうか。

まずは深呼吸すると良いでしょう。緊張している時は酸欠状態になっていることがあるので、効果があります。話の前や間にひと呼吸置くだけでも少し冷静になれます。また、腹式呼吸をするのも良いそうです。

複式呼吸は交感神経（緊張している時に優位に働く）を抑え、副交感神経（リラックスしている時に優位に働く）を刺激するのでリラックスしたい時に適しています。次に、姿勢をよくすることも大切です。姿勢が悪いと大きな声を出すことができません。背筋をピンと張って良い姿勢で話しましょう。

「肩を上げて息を吸い、全身に力を入れて2秒ほど静止した後、思いっきり肩を下げながら息を吐き出し脱力する」という運動も、緊張をほぐすのに良い方法です。他に事前に発声練習をしたり、リラックスする手のツボを押すという方法もあります。

「うまく話そう」と思いすぎるのもよくないようです。「絶対に失敗したくない」とか「よく見られたい」と思うと、うまくいかなかった時の事を考えて不安になってしまい、よけいにうまく話せません。「少しくらい失敗しても大丈夫」と楽な気持ちで臨む方がいいのかもしれません。

「自分は話が下手だ」と意識しすぎるのもうまくいかない原因なのかもしれません。相手に変に思われたらどうしようと思うとよけいに緊張してしまいます。しかし、人は話している内容よりも見た目や声のトーンなどの「相手の雰囲気」に影響されるそうです。印象を左右するものは、言葉や話の内容が全体の7％で、声の使い方、テンポ、トーン、大きさ、口調などが38%、ボディランゲージ、視線、ジェスチャーなどが55％という研究結果もあるそうです。つまり、話の内容を気にするよりも、声のトーンを上げたり、ジェスチャーを加えたりする方が印象が良くなるのです。

あとは、相手に「緊張しています」と伝えてしまうこともひとつの方法だと思います。「緊張しています」と言うことで相手も理解して許してくれるかもしれませんし、言葉にすることで自分自身の緊張度も少し弱まります。

色々と書きましたが、私も人前で緊張してしまうという欠点を克服できたわけではありません。色々試してみてもどうしてもうまくいかない時もあります。そんな時は気持ちを切り替えて、「次からは頑張ろう」と前向きな気持ちになるように心がけています。

また、緊張してしまうということは悪いことばかりではありません。緊張しているから集中できるし、細部まで気を付けられて失敗しないということもあります。緊張しているから丁寧な話し方や心のこもった話し方も出来ると思います。人前で話す時、初対面の人と話す時は適度な緊張感を持って、かつ少し気楽に、明るい気持ちで臨むと良いのではないでしょうか。

参考文献

【声が震える！　人前で話すのが苦手な人のための克服法｜「マイナビウーマン」】
https://woman.mynavi.jp

【腹式呼吸でリラックス　一般社団法人半田市医師会健康管理センター】
https://www.handa-center.jp