特別支援学級の担任になる理由

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学校の先生がどのような人事で動いているのかは、義務教育で教わる事ではありません。毎日顔を合わせる担任教師が、いかにして自分のクラスに赴任したかを把握している少年少女は多くないでしょう。

謎多き教諭人事の中で一際理由を詮索されがちなのが、「特別支援学級の担任」です。支援学級の担任となる理由は前向きなものからそうでないものまで様々で、一つに決まっている訳ではありません。そもそも支援学級のスタイルすらも担任の数から通級の採用まで学校ごとに違っています。

ここに挙げたものが支援学級の担任となる理由の全てではありませんし、確たるソースがない以上噂同然とされても返す言葉はありません。さりとて、以下に挙げるいずれかの理由に当てはまる例もゼロではない筈です。

支援学級そのものへの意欲が高い

支援学級を担当すること自体に積極的な熱意ある教師は少数ながら存在しているでしょう。「普通学級より支援学級のほうが合っている」とまで言い切る教師さえいます。障害への理解や個別支援において他の教師より抜きん出た存在となるでしょう。

ただし、熱意や希望を語るだけで自身は鍛えられていないタイプの教師もおり、このタイプは教育現場のアップデートに適応していない可能性があります。意欲が教師としての素質に転化されているかどうかが最終的に大事となるのです。

大学時代にゼミの都合で支援学級の実習をしていた頃、いわゆるベテラン教諭が「何十年も教師をして普通学級も経験したが、自分には支援学級が合っているので志願して戻った」と豪語していました。ところが実態は、体罰スレスレのことを「裏技」と称して教えるなど、教育者としてどこかズレていたのです。

ゼミの仲間や大学院の先輩からの評判も良くなく、「独善的で暴走気味のうえ最年長なので止められない。必要なこと以外は話半分で済ますべき」と言われていました。あれで「自分は支援学級のほうが合っている」と思い込んでいるのですから救いのない話です。

支援学級のほうが楽だと思っている

信じられないことに「普通学級の担任が過酷なので支援学級を志願する」というケースもあるようです。普通学級が20人以上であるのに対し支援学級は多くて8人程度がザラで、人数の少なさに靡(なび)くのが理由だそうです。

実際に普通学級の教師から児童の数で羨ましがられたりマウントを取られたりする支援学級担任もいます。支援学級の児童には細かい支援や対応が必要なので教壇で喋るだけでは務まらないのですが、児童の数だけで仕事を見くびられるのはなんとも残念な話です。

ただ、教師の適応力次第では支援学級の担任に適した素養が自然と身についていくかもしれません。きっかけが不純なものであっても、「実は支援学級のほうが向いていた!」となれば結果オーライではないでしょうか。

左遷や数合わせ

支援学級の担任となるために必要な資格は特になく、教師免許を持つ教師であれば誰でも支援学級へ赴任することが出来ます。そのため、支援学級が左遷先になることも少なくないようです。「左遷された」と被害妄想的に受け取られていることもあれば、問題を起こした教師が本当に支援級・支援校へ左遷されていることもあります。

支援学級へ異動となった教師が「左遷されてしまった…」と思い込んでしまうと、その後の勤務も不真面目なものとなりやすいです。児童へ向き合わないばかりか体罰すらしてしまうかもしれません。懲罰人事と言われることもあります。

また、支援学級に自ら赴任したがらない教師が多数派なのか、新任など立場の弱い教師を言葉巧みに支援学級へ赴任させ数合わせにする動きもあるようです。ある元教師のケースでは、教師採用の面接で「支援学級で3年間我慢したら普通学級に引き上げてやる」とまで言われました。その教師は25年以上様々な学校の支援学級だけ赴任し続けており、児童とはうまくやっていたものの学校組織への疑問は消えなかったそうです。

才能が開花するといいね

支援学級へ赴任するきっかけが何であれ、そこで支援学級の担任に適した才能が開花すれば結果的には児童にとってプラスとなります。教師として成長し、児童一人ひとりに向き合い支援できる人間になってくれれば、支援学級へ赴任した理由は問われません。元・訳アリ先生でも構わないのです。

反対に、熱意や思い込みだけ立派でも教師としての成長が無ければ、「自分は支援学級の担任が向いている」と思い込みながら体罰スレスレの行為を続ける、教育実習生から成熟しない「ピーターパン先生」になってしまいます。元・訳アリ先生より現・ピーターパン先生の方が児童にとってマイナスなのは疑う余地も無いでしょう。

ところで、通常であれば児童の障害(視覚など)によっては専門の資格(言語聴覚士など)を要するのが常識ですが、教育現場だけは教員免許だけで支援学校へ赴任することが可能です。つまり、障害によっては無免許で支援をしている状態にもなり得ます。

教師という職業は常に忙しいため、新たに資格を得るための時間をとるのは極めて難しいです。障害を持つ子どもの支援にあたって本来必要な資格や免許を取れないというのが、支援学級・支援学校で最も深い闇なのかもしれません。

参考サイト

ドヤドヤされてフムフムする。特別支援学級・学校で働くことについて
https://note.com

特別支援学級の話し。|八ヶ岳三日坊主blog版
http://pairhat.blog103.fc2.com

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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