境界性パーソナリティ障害とは?若い女性に多いこの障害の特徴や原因、対処法は?
その他の障害・病気人は辛い事、楽しい事、挫折、喜びとあらゆる事を経験することで、成長して人格を形成していきます。明るく陽気でおおらかであったり、真面目で実直、穏やかで優しい、怒りっぽく激しい、神経質で細かいなどあらゆる個性が出来上がってきます。中には、怒りや孤独により人格が極端に偏るようになり、自分自身や家族、周りの人にも攻撃的で苦しませてしまうようになる場合があります。それを境界性パーソナリティ障害といいます(境界性人格障害や境界例と呼ぶ場合もあります)。今回は境界性パーソナリティ障害について紹介します。
境界性パーソナリティ障害の特徴
感情の波が激しく、情緒不安定で、些細なことでいきなり怒り出したりします。それまで誉めていた人をいきなり批判することがあり、他人との良い人間関係を築くのが難しいです。何かあると悪いのは、相手や周囲の人であると思い込むところがあり、自分自身はいつも正しく間違っていないと極端に思い込むところがあります。社会や道徳的な面に反することを異常に批判して、相手を攻撃することを正当化します。
感情のコントロールが苦手なので対人関係が上手くゆかず、自分が正しいという思いが強いため、人とトラブルを起しやすいのが特徴です。また、特定の人をターゲットとして攻撃して怒りだし、荒く吐き捨てるような言葉を相手にぶつけますが、感情が落ち着くと、攻撃したという意識はなくなり、常に冷静であると思いと別人格のようになります。
大事な人や愛する人に見捨てられるのではないかと孤独感、不安感、怒り、の感情が常に付きまとうため、相談を持ちかけ受け入れられ、1度信頼できると思い込むと見捨てられないよう必死にしがみつこうとし、相手が困って避けるようになると、一転して激しい怒りをぶつけたりし、引き留めるためリストカット、大量の服薬など自殺を図ろうとします。
感情のコントロールや、自分を理解できないため、なぜ自殺をしようとしたのか、自分で自分が分からなかったりします。自分が何をしたいのか、何を望んでるのか分からないという苦しみの中で日々の生活を過ごしているので、ある面傷つきやすくやすい面を持っています。
境界性パーソナリティ障害の原因
母親が感情の波が激しい、怒りっぽいなどの性質などの遺伝的要因が、境界性バーソナリティ障害の発症に関わっている可能性があります。
また、幼少期に母親の愛情を十分に受けられなかったり、逆に成長しても干渉しすぎない母親であったりすると、上手く人間関係が築けなくなり、発症の原因となる場合があります。それから、母親の希望する子どもでないなどと否定され続けて育つと、「見捨てられ感」を強く抱き、親の望む優等生でない自分を責めて否定してしまい、発症しやすくなります。
境界性パーソナリティ障害の方は人との関わりが上手くなく、人との距離感の取り方が分からないまま学校や社会へ出るので、コミュニケーション、人間関係でつまづき、それがきっかけとなり発症したりします。
また、境界性パーソナリティ障害の方は脳の前頭前野の機能が低いと言われています。そのため不安や感情のコントロールが難しくなり、それで障害が発症するという説もあります。脳内物質のセロトニンの減少も発症に関係していると考えられています。
境界性パーソナリティ障害の治療法・接し方
境界性パーソナリティ障害の治療には、信頼できる病院へ行き主治医や専門家の指導を受けることが大切です。不安、怒り、うつなどの症状がある場合は抗うつ剤や抗不安薬などを用いて薬物療法で治療しますが、メインは精神科医や臨床心理士によるカウンセリングや行動療法の治療になります。まず大事なことは、人とつかず離れずといった上手い距離感の取り方を身につけることです。境界性パーソナリティ障害は本人の強い意思があれば治るとされています。
周囲の人たちは、境界性パーソナリティ障害を持つ人を変えようとするのではなく、まずは受け入れ、理解し、感情的に否定せず、冷静に対処していくことが改善につながります。また、必要以上に要望に応えるのではなく、できる範囲で関わりをもっていきましょう。場合によっては距離を置くことも必要です。
境界性パーソナリティ障害の方は人の行動にとても敏感ですし、病気の痛み、心の苦しみを人一倍感じ取れます。気持ちの安定した生活ができるようになると、自分の辛かった経験を活かして、苦しみや痛みを共感しながら仕事することができます。社会に役立つ事でその時自分自身もこれまでの人生も救われたと感じるかもしれません。
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