脳震盪とは?正しい応急処置で後遺症を防ごう
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皆さん脳震盪といえばどういう印象がありますか?私のイメージとしては、ボクサーが顔にパンチを受けてフラついた場面を思い浮かべます。脳震盪とは、頭頸部に衝撃が加わり、急激に脳が揺すられ脳組織にひずみが起きることをいいます。
症状としては、「意識消失」「精神活動の混乱」「健忘」などがあります。また、無症状の場合もありますので、そのままプレーを継続するといった危険なこともあり、周りの人の対応の判断はとても難しいです。脳震盪はアスリート以外の方でも起こる可能性があります。その時に周りの人はどのような対応や行動をとるべきかということをお話いたします。
まずは意識レベルの確認を
近くにいる方が脳震盪を起こして倒れた場合、まずは次のように対応します。
・呼びかけに反応するか → 患者の名前を呼んであげる。「〇〇さん、大丈夫ですか~」
・手の把持による反応があるか → やや強めに握ったり、弱めに握ったり繰り返します。
・自覚症状の聴取 → どのような痛みか、どうしたら痛むのか、意識ははっきりとしているのか、気分が悪くないか、などを聴取します。
認知機能の確認も
意識がある場合は、認知機能を確認します。
・見当識の確認 → 自分は誰か、いま居る場所はどこか、今何時か、両親の名前などを聴取します。
・即時記憶の確認 → 1分前は何をしていたか、繰り返し言ってもらいます。
平衡感覚、協調性の確認
脳震盪を起こしているかどうかは、次のように平衡感覚、協調性を確認することも有効です。
・指鼻テスト → 検者の指と患者の鼻を人差し指で交互に触ってもらいます。
禁止事項と後発的症状
脳震盪を起こしている可能性がある場合、次の事項は避けましょう。
・アルコール、刺激物の摂取(キムチ、ワサビ、香辛料)
・薬の服用
・自動車、バイク、自転車の運転
後発的に症状が悪化する可能性もありますので3~4時間おきに状態を観察するのがよいでしょう。もし症状が悪化し、進行すると急性硬膜下血腫になり最悪、命を落とす可能性があります。
後から吐き気、頭痛、嘔吐、痙攣などの症状がおこりますと即座に救急車を要請する必要があります。
後発的症状では次のように見た目にも変化が現れます。
①目のまわりが紫色になる。(内出血)
②耳の下が紫色になる。
③鼻出血→頭蓋底骨折による鼻血
脳震盪を起こしたと思われる場合は、しばらく症状が出なくても病院へは必ず行くことをお勧めします。念のためにCTで頭蓋内の出血がないかを確認しましょう。そして定期的に医師による診断を受けると良いでしょう。
もし、脳震盪で意識がなくなった場合には救急車を要請してください。救急車が到着するまでにできることは上記の内容になります。この記事が少しでも皆さんのお役に立てると幸いです。
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