たかが視線?されど視線!他人の目が気になる「視線恐怖症」

その他の障害・病気

出典:https://www.photo-ac.com/

視線恐怖症とは?



そもそも「恐怖症」とはなんでしょうか。恐怖症は正式には「限局性恐怖症(特定の恐怖症)」といい、特定のものや状況に対して恐怖感を抱いている状態を指します。高いところや虫が苦手、注射が怖いなど、怖いものは誰も持っていますが、恐怖症はそのレベルが度を越え、他人と関わることそのものに恐怖を感じるなど日常生活に支障をきたしてしまうのです。

「視線恐怖症」は、人と目が合うのを極度に恐れ、絶えず人の視線が気になって集中力が保てなくなり緊張した状態が続く不安症状のこと。傾向としては、神経質・几帳面・完璧主義・心配性の人や、他人からどう思われているかという他者の評価がとても気になる人、自分に自信がない人は視線恐怖症を発症しやすいそうです。


どんな治療法がある?



恐怖症の主な治療法には

・暴露療法
・認知行動療法
・薬物療法

などがあります。

暴露療法は、恐怖の対象に対してその程度が低いものから高いものへ徐々に慣らしていく方法。できることが少しずつ増えていくので自分の自信につながり、視線恐怖症を克服できるのです。ただし、これは本人のストレス負荷が高くなってしまうため、専門的な知識を持った人と一緒に治療を進めないと、症状が悪化する可能性もあるので要注意。

認知行動療法は、物事の考え方や捉え方の歪みを修正していく療法です。例えば「自分が○○だから見られている」など、視線恐怖症の人は他者からの視線に恐怖を抱いているため、視線に対する考え方を修正して、恐怖を日常生活に支障がないレベルまで下げていきます。また「人から見られることは怖いことなのか」「人から見られることで何か悪いことは起きるのか」などを本人と一緒に考え、思考の歪みを修正していきます。

薬物療法では、視線恐怖症によって抑うつ症状や不安症状が強い場合に対症療法として抗うつ薬や抗不安薬を処方します。ただ、あくまでも補助的な治療になるため、暴露療法や認知行動療法と並行して行うことになります。


最初の治療は、傾聴から



怖いものや苦手なものの恐怖レベルがエスカレートし、社会的な生活に支障をきたしてしまう恐怖症。周りからすると些細なことであっても、恐怖症で悩む本人としては切実な問題です。まずは、その気持ちをしっかり聞いてあげましょう。そして生活に支障をきたしているようであれば医療機関への受診を勧める。いずれにせよ本人の気持ちに寄り添うことが大切だと思います。


参考文献

医療法人 和楽会
http://www.fuanclinic.com

せせらぎメンタルクリニック
http://seseragi-mentalclinic.com

MN

MN

大阪市在住。女性。数年前、広汎性発達障害と抑うつの診断を受けました。
現在、就労移行支援事業所に通所しながら再就職を目指しています。
趣味は旅と喫茶。写真を撮ったり音楽を聴いたり本を読んだりするのも好きです。
誰かにとって「読んでよかった」と少しでも思ってもらえると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

その他の障害・病気

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP

しばらくお待ちください