「キレやすい」のは、心が傷ついているからかも
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皆さんは、感情のコントロールは得意ですか?私は、まだまだ課題に取り組み中です。皆さんが怒りっぽくなる時は、どんな時ですか?お腹が空いている時、睡眠不足な時…色々ありますね。では、慢性的にイライラが続く…という場合、何が原因なのでしょうか?積み重なった心の傷が原因かもしれません。それを癒す方法を考えてみましょう。
「キレやすい」のはなぜか?
例えば、家族や教師などから、「お前はダメだ」というメッセージを発せられて生きてきたとしましょう。そんな言葉の暴力を受けたら、心は傷だらけになりますよね。周りから適度な賞賛と承認を受けて、あまり傷がない心に、少しの衝撃が加わっても大した痛みにはなりません。ですが、すでに癒えない傷でいっぱいになった心には、少しの衝撃も大きなものに感じます。(例えば、ヒビだらけの茶碗を叩くとか、切り傷に水をかけるとか…と思ってください。)それが、「キレやすい」の構造です。
「今ここにいる」
「ゲシュタルトセラピー」では、ご自身の怒りに向き合い、外に表現することによって、心の傷の回復を目指します。長年のキレやすさを抱えた人にも効果があります。
「今ここにいる」という感覚も大事にしていて、エクササイズも用意されています。ただ目の前にあるものを心の中で言っていく、というだけなのですが、これをくり返すことで、過去と現在を切り離すクセがつきます。そうすると、困難な状況が起こっても、今目の前で起こっていることだけに焦点を当てることができるので、物事を冷静に見れるようになります。
「状況」と「心」
ゲシュタルトセラピーの中の考え方に、「状況」と「心」があります。人は、基本的に、「状況」と「状況」で話をしていると言います。例えば、イヤな上司が居るから会社を辞めようと思っている友人に対して、今は就職難だから辞めない方がいいよ、と答える場合です。しかし、人間には「心」があります。この場合なら、会社を辞めようと思っている友人は、過去のトラウマを今の上司に重ねているのかもしれません。実際の理由がはっきりと分かる必要はないのですが、ここで大切なのは、「自分や人の心に注目する」ということです。誰かに「心」に注目してもらったり、自分で自分の「心」に注目するだけで、人は癒されます。ゲシュタルトセラピーでは、体の状態や今の気持ちを聞いてもらったり、自身で今感じていること(身体感覚を含め)に着目することで、「心」を大切にします。
大切な3つのこと
著書の『キレる私をやめたい』の中で、田房永子さんは、3つのことを意識していると効果があったと言います。「休む」「今ここにいるようにする」「自分を誉める」の3つです。キレやすい人は、自分はダメだと思っているため、自分に厳しいです。なので、ご自分で思っている以上に心身ともに疲れています。なので、しっかり休養を取って下さい。「自分を誉める」に関しても、例えば、用事が半分済んだ時に、半分しかできなかった、ではなくて、半分も終わった、と思えるようになって下さい。そして、どうしても自分に厳しくなってしまう時は、「今ここにいる」を意識して下さい。そうすると、余計な考えが削ぎ落されて、ご自分のよい部分が見えてくるはずです。
最後にキレやすい人々に向けて一言メッセージ!「これ以上自分に厳しくしないで下さい!」
キレやすいのは、自分に甘いからではありません。あなたの心はきっと人よりも傷ついています。まずは、ご自分を癒してあげて下さい。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
参考文献
田房永子著『キレる私をやめたい』竹書房/2016年
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