社交不安障害(SAD)とは?その対処法・治療法は?
その他の障害・病気社交不安障害(SAD)とは?
社交不安障害とは、英語でSocial Anxiety Disorder、略してSADと呼ばれ、2008年に日本精神神経学会により、「社会不安障害」から「社交不安障害」に訳語が変更されています。
初対面の人との関わりや大勢の人の前での発表・発言など、本人に注目を浴びる状況下におかれた際に、「自分は変に見られているのではないか」「失敗したらどうしよう」などの不安や緊張と共に現れる、身体の状態(声が震えや手足の震え、発汗、赤面など)が普通の人よりも過剰に感じ、現れる病気です。
また、この病気は以上の状況や苦痛、行為を避けたくなってしまい、その結果、日常の生活や仕事に支障をきたしてしまうこと(職業の幅が狭まる事や引きこもり、不登校、婚期を逃すなど)があります。
生涯有病率(=一生のうちに一度はこの病気にかかる人の割合)は約1割と言われており、まれな病気ではありません。
世代を問わず発症するが、特に15歳頃の思春期、また女性に多くみられ、他の不安障害と比べても最も発病年齢が低いと言われています。
さらに、この病気は内気な性格や心配性な性格、完璧主義者などの神経質な性格傾向にある人がなりやすいと考えられています。
社交不安障害(SAD)の対処法・治療法は?
この病気は、風邪のように薬を飲めばすぐに治るというものではなく、長期にわたって付き合っていく必要があると考えられています。
本人は症状を自身の性格の短所だととらえ、病気だと気付かず、長期にわたって一人で悩み続け、我慢してしまう事が多く、本来の能力を発揮する機会がなくなり、徐々に様々なことに対する自信もなくなっていきます。
そこで対処としては、まずご家族や周囲の方が気付いた場合は「この病気の基礎をよく理解して、その上で本人の訴えを否定せずに最後までよく聞いて」あげて下さい。
この病気が疑われたら、「心療内科や精神科の早めの受診」をおすすめしますので、ご家族や周囲の方は本人に有効な治療方法があることをよく説明した上で、すすめて下さい。
心療内科や精神科に初めて受診する方は、社会の目などを気にして受診することに抵抗感を感じるかもしれませんが、最近は綺麗かつおしゃれで訪れやすい環境のクリニックが多く存在し、カウンセラーや精神保健福祉士などが常勤・非常勤しているなどクリニックによって様々な治療内容を受けられるクリニックがありますが、必ず本人にあった所が見つかるはずなので、話だけでも聞いてもらおうかな?という気持ちで受診するのもいいかもしれません。
治療法としては、主に「薬物療法」と「認知行動療法」という2種類の治療法を併用して治療される事が多いです。
「薬物療法」とは、主にSSRI(=選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という薬を使用して治療する方法です。
主に胸やけや吐き気、眠気などの副作用が服用開始時に見られることがありますが、従来の薬よりは副作用が少なく、殆どの方が違和感なく服用できるので、長期間でも安心して服用できます。
薬の効果は現れるのに早くても2週間、通常では4週間ほどかかります。
「症状が軽くなったから服用しなくていいや」「クリニックに受診しなくてもいいや」などと自己判断・実行することはやめましょう。
服用開始6か月から1年以上は症状が再発することがあるので、服用を継続することが必要です。
「認知行動療法」とは、周りの環境から受けるストレスとその反応の(感情・思考・行動・体の)変化との相互作用を検討して、本人の精神障害やストレス反応において起きている悪循環を断つことで、症状の改善や問題の解決を図ろうとする治療法です。
カウンセリングにおいてよく使われてる療法でもあります。
以上、治療法を紹介いたしました。人より緊張や不安になりやすいと思われる場合は早めに病院で診断を受けることをお勧めいたします。
参考文献
・ウィキペディア 社交不安障害
https://ja.wikipedia.org
・人形町メンタルクリニック 社交(社会)不安障害
http://www.cocoro-support.com
その他の障害・病気