双極性障害と診断された日~気分障害って何
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31歳で躁状態になり措置入院してからの体験談をお話ししたいと思います。
身体拘束から退院へ
再発入院して気が付いた時には、憑き物が落ちたような感じでした。ここはどこ?私はだれ?感覚です。看護師さんには「本当にフジコさん?最初と目つきが全然違うね。別人みたい。」と言われました。身体拘束は二度目でも恐怖しかありませんでした。拘束が嫌なことを伝えると割りと早く拘束は解かれました。最初の措置入院のときは、刑務所の独房の様に感じた隔離室も、施錠されているだけのワンルームに感じました。窓も大きく日当たりもよく、8年の間に精神病院のありかたも変わっていました。病院玄関ホールのプレートには「患者の”尊厳”を大切にする」とありました。病棟も女性と男性は完全に分かれていました。看護師さんも女性だけでした。男性看護師に辱めを受ける心配はないということに安心しホッとしました。すぐに隔離室から出て病棟に移り、1週間ほどで退院となりました。月1回の通院から週1回通院に変更になっただけでした。
気分障害って何?
健康保険の傷病手当金をもらうために診断書を取りました。傷病名は「気分障害」でした。「気分障害?なんだそれ?」と思いました。なんだか心の弱い人認定されたようで不満でした。パワハラを受けた会社に退職の手続きをしに行きました。まだ身体がふらついており、一人で電車に乗るのが不安でしたので母についてきてもらいました。大きな応接室に通され、知らない男性が3人並んで座っていました。荷物も箱詰めされていました。とても警戒されている感じがしました。よく覚えてませんが、入院前に「会社を潰してやる」と電話していたようです。会社の法令違反も見つけていました。退職手続きの書類の中に、「1年間は弊社の株の売買はしない」、という誓約書がありました。様々な会社で契約書を書いてきましたが、そんな文言が入った契約書は後にも先にも初めてでした。不眠になり興奮状態になったときは攻撃的になる、ということがわかりました。
双極性障害Ⅰ型とは
私は大きな分類でいうところの「気分障害」で、その中でも「双極性障害Ⅰ型」ということをやっと理解しました。ネット検索はとても便利ですが、情報が多くて信用できる情報の取捨選択が必要になってきます。薬局に製薬会社の小冊子がいろいろ置いてあります。イラストや漫画などを使って、わかりやすく病気のことが書かれていますのでとても便利です。おまけに無料です。読むと私の症状に当てはまることがたくさん書いてありました。ようやく自分の状況がなんとなくわかってきました。しかし原因は明確には解明されていないことにガッカリしました。お金や社会的信用、場合によっては命も失う危険があることがわかりました。2回身を持って体験しました。「無理をしない」先生が口酸っぱく言っていた本当の意味がようやくわかりました。そこからの8年間は短くもあり長くもあり、私の場合は面白いように8年ごとに躁状態がやってきました。3度目の正直と言いますか、3回目は先生と電話で話し頓服を飲むだけで大丈夫でした。それから状態が落ち着き主治医の許可が下りたので、現在は就労移行支援の福祉サービスを受け、こうして記事を書かせていただきました。
最後に
15年ほど前に運営していたサイトに「死んだら」というキーワードでの検索が多いことに気がつきました。ひょっとして自殺を考えてる人じゃないかとずっと気になっていました。今回親友の自殺で受けた衝撃を詳しく書いたのは、少しでも残された人のことをわかってもらえたら、思いとどまってくれる人がひとりでもいたら、と思って誰にも話したことのない、ぐるぐる巻きにして心の奥底に閉じこめていた箱を開けて、ときには涙ぐみながら書きました。少しでもあなたの心に触れることができたのならうれしいです。読んでいただいてありがとうございました。
参考文献
こころもメンテしよう(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp
「双極性障害(躁うつ病)とは?うつ病とは違う!その症状や原因、治療法は」
https://shohgaisha.com
「北杜夫と双極性障害?家族とともに歩んだ日々」
https://shohgaisha.com
その他の障害・病気 双極性障害(躁うつ病)