精神障害と自律神経失調症~生活習慣から見直そう

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出典:Photo by kazuend on Unsplash

みなさんは「自律神経失調症」をご存知でしょうか。

これは内臓の働きなどを調整する自律神経が乱れた状態のことで、年々患者数が増加しています。特に発達障害やうつなど、精神障害の患者はこの状態になりやすいといわれています。

今回のコラムではそんな自律神経失調症について、私の経験をふまえて解説していきます。

自律神経失調症とは

「自律神経失調症」とは、人の活動時にはたらく交感神経と、安静時にはたらく副交感神経のバランスが崩れた状態をさします。医学的に明確な定義はなく、正式な病名ではありません。

これらの神経は全身の器官を制御しているため、バランスが崩れると、さまざまな身体に悪い症状があらわれます。具体的に頭痛、関節痛、動悸、倦怠感、首や肩の凝り、集中力の低下などが症状としてあげられ、身体だけでなく精神面にも影響があります。

自律神経が乱れる原因はストレスや生活習慣、更年期など、さまざまなものがあり、しっかり要因を見極めて対処する必要があります。

自律神経失調症の原因~4つの分類

自律神経失調症は、自律神経のバランスを崩す要因によって大きく4つのタイプに分類されます。

まず1つ目は「本態性型自律神経失調症」です。

こちらは生まれつき自律神経のバランスが崩れやすい人に多くみられます。主に低血圧の人、立ちくらみをしやすい人、身体が弱い人がこのタイプになりやすいといわれています。特に生まれつき身体が弱い人は、自律神経を乱さないように、普段から生活習慣に気を配る必要があります。

2つ目は「神経症型自律神経失調症」です。

こちらは心理的な要因から自律神経失調症になるというものです。些細な体調の変化に敏感な人にみられやすく、変化を心配に思うあまり、体調を崩してしまいます。変化に過敏なADHDの人や、精神状態の変わりやすい双極性障害の人によく見られる症状のようです。

3つ目は「心身症型自律神経失調症」です。

こちらは日常生活のストレスが原因でおこるもので、自律神経失調症の中で最も多くみられるタイプです。真面目でストレスを抱え込みやすい人に多く、疲労や感情を無理に抑え込むあまり、自律神経のバランスを崩してしまいます。精神障害を抱えている人は、ストレスを抱え込みやすいため、しっかりストレスを解消しましょう。

最後は「抗うつ型自律神経失調症」です。

こちらは心身症型自律神経失調症がさらに進行したもので、慢性的なストレスから「うつ症状」があらわれます。また、身体症状をともなうため、通院しても身体症状のみの治療になり、うつ症状は改善しないこともあります。こちらはストレスを感じやすいものの、相談ができない完璧主義の人や几帳面な人がかかりやすいです。

もし、自律神経失調症の症状があるなら、これらの4タイプに心当たりがないか確認し、原因から改善することが重要です。

自律神経と生活習慣

先ほどの4タイプのすべてに共通する原因として「生活習慣の乱れ」があげられます。

生活習慣の乱れとしてよくいわれるのは「睡眠の質が悪い」「食生活が悪い」「運動不足」などです。特にストレスを溜めやすい人や、身体が弱い人はより一層これらに気をつけて生活する必要があります。

では、具体的にどうすれば自律神経のバランスは戻るのでしょうか。

まずは「睡眠の質」を整えましょう。

食事やアルコール、コーヒーの摂取は睡眠の3時間前までにすませ、就寝の1時間前からスマホやパソコンは控えておく必要があります。これらは交感神経を刺激する行為なので、はやめにすませることで副交感神経が活性しやすくなり、睡眠の質が向上します。

なお、睡眠自体は7時間以上が望ましいとされています。もし、寝入りが悪く睡眠時間が確保できない場合は、睡眠導入剤を用いても構いません。

次に「食生活」の改善です。

改善にはバランスのとれた食事を意識する必要があります。ご飯やパンなどの「主食」をメインに、肉や魚などのタンパク質多めの「主菜」、たっぷりの野菜でビタミンを補給できる「副菜」の揃った食事が理想的です。

特に自律神経を整えるための食材として「トマト」と「バナナ」があげられます。トマトは肌の調子を整える「リコピン」の他、脳の血管や神経をリラックスさせる「GABA」という成分が多く含まれています。また、バナナには自律神経を整える上で大切な「セロトニン」を生成する3種類の栄養素をすべて含んでおり、1日1本摂取することが望ましいです。

最後に「適度な運動」です。

軽い運動でも自律神経を整える働きがあり、ストレス解消にも繋がります。特におすすめの運動としては散歩やウォーキング、ヨガやストレッチがあげられます。

特に散歩やウォーキングは外で日光を浴び、「セロトニン」の活性化も兼ねることができるため、より自律神経を整えやすいとされています。

その他にも「毎日お風呂につかる」「腸内環境を整える」など、さまざまな対処がありますので、気になる人は、あわせてためしてみてください。

おわりに

今回は「自律神経失調症」について詳細と対処を解説しました。特に、精神障害を抱えている人は併発しやすく、なる前から存在を知っておき、対策しておく必要があります。

もし、今回紹介した症状に心当たりがある人は、この記事を参考に生活習慣を整え、体調の改善を目指してみてください。

参考文献

【ドクターズ・ファイル|自律神経失調症】
https://doctorsfile.jp/

【特定非営利活動法人 はまや|自律神経を整えるための食生活とは?効果的な食材や栄養素をご紹介】
https://hamaya-npo.or.jp/

中学生時代にパニック障害を発症。一度は回復したものの、社会人になって再度発症し、その際にかかった精神科にて、検査を勧められ、発達障害と診断されました。以降悪戦苦闘しながらも、社会に適応しようと奮闘中です。

趣味はゲーム全般で、最近はカードゲームに力を入れています。

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