高次脳機能障害~注意障害と克服への道

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出典:Photo by Milad Fakurian on Unsplash

高次脳機能障害と診断された方や、そのご家族の方の中にはショックを受けた方もいるかもしれませんが、私が診断されている高次脳機能障害の対処方法や症状が緩和されたトレーニングを紹介させていただきます。

そもそも高次脳機能って?

高次脳機能障害は脳の損傷が原因で起きる認知障害のことを指すため、様々な症状が見受けられます。

大きく「記憶障害」「注意障害」「遂行機能障害」「社会的行動障害」の4つにわけられます。

まず「記憶障害」では、新しいことをなかなか覚えられなかったり、どこに何を置いたかを忘れてしまったり、会話の中で同じ質問を繰り返してしまうといったものが挙げられます。

次に「注意障害」では、注意力が散漫でミスが増えることや、複数の作業を行うと混乱する同じ作業を長く続けられないといったものが挙げられます。

また「遂行機能障害」では、約束の時間に遅れることや自分で立てた計画通りにことを進められない誰かに指示をしてもらわないと行動できないといったものが挙げられます。

最後に「社会的行動障害」では自己中心的な行動が多くなったり、自分の思い通りにならないと大声を出したり、暴力をふるうといったものが挙げられます。

これだけを見ると「記憶障害」や「注意障害」は高次脳機能障害と診断をされていない方でも、当てはまる方はいるかと思います。

ただし、今挙げたものはあくまで一例で、さらに細かく分類されていきます。

私が診断された高次脳機能障害

私は「注意障害」の診断がおりています。

その中でも「選択性注意障害」と「転換性注意障害」とよばれるものです。

選択性注意障害は、ひとつのことに集中をしていても何かノイズ(雑音)が入るとそちらに気がとられてしまい、集中したいことに集中できなくなる障害です。

また、転換性注意障害はひとつのことに固執してしまい、他のことへの切り替えが難しくなってしまう注意障害です。これは、作業中に違うことを頼まれてもすぐに対応できなかったり、前の作業と混同してしまったり、キリが悪いとその作業に固執してしまったりすることがあります。

私がこれらを診断されたのは社会人になって2年目のことです。医師いわく、私生活や仕事でも、少しドジな人ぐらいにしか思われず、キッカケが無いとなかなか見つけられないといっていました。

どのようにして見つけたのか

結論から申し上げますと、別の症状で受診していた精神科で医師に簡単な問診を受け、そこで発覚しました。

これまでに頭部の強打や出血して倒れたことがあるかというものと、似た質問を複数用意してそれを答えるというものです。

頭部の外傷は私が4歳か5歳のときに鉄門で後頭部を強打し出血、病院に搬送されたことがありました。その時の記憶は明確ではありませんが、当時の関係者から、搬送が少し遅れて止血にもかなりの時間を要したと聞いています。

また、似た様な質問を複数するというものですが、これは「答えに統一性があるか」みたうえで「似た質問がいくつあったか」を医師に確認されました。

そこで思い当たる数を答えましたが、どうやら半数ほど抜け落ちていたそうで、短期記憶に問題が生じていると判断されました。

どうして社会人になるまで気づかなかったのか

医師とお話している間に推測ではあるものの簡単な結論がつけられました。

それは、私が小学生のころからずっとパズルや謎解き、間違え探し、知恵の輪などをしていたことです。

医師いわくそれは脳の機能活性につながり、足りない部分を他で補うトレーニングを兼ねているそうで、それをする時間が少なくなった結果、元々持っていた症状が顕著に出てきたのではないかとのことでした。

医師にされたアドバイス

今後仕事をする上で、他の高次脳機能障害の症状が発現しないとも限らないとのことでしたので、まずは日ごろから簡単な脳トレや、興味のある分野でいいので学習をしてみるといった、脳を働かせることを意識的におこなうことがリハビリの第一歩とのことです。

どの種類でも共通するのは自分で意識的にやりたいことをすることのようです。

それが安定してくれば複数のことをして、普段と違う分野を試してみます。そして他の脳機能障害がないかを念入りにチェックして、その都度対策を練ることが一番の近道といわれました。

ただし「社会的行動障害」のケースに関しては「アンガーマネジメント」を学び、自分が何に対してどうして怒っているのかを明確にする必要があるそうです。

今回は高次脳機能障害の「注意障害」に焦点を当ててお話しました。脳機能障害の中でも注意障害は、トレーニング次第で正常な状態に近づけやすいです。

もし高次脳機能障害の症状かもしれないと思えば、一度診てもらうことを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

参考文献

【高次脳機能障害を理解する|高次脳機能障害情報・支援センター】
http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/

ただの紅茶好き

ただの紅茶好き

社会人になってから双極性障害と高次脳機能障害の診断。現在は自分にできることをしながら社会に適応するために様々なことをおこなっています。

紅茶やハーブティー、アロマテラピーにもともと興味があり、障害に対するアプローチもできるという事から力を入れて学んでいます。

趣味はゲーム全般で最近ではMOBAというジャンルに手を出すか悩んでいます。

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