冬季うつ等、季節性情動障害(SAD)とは?その原因と治療・対処法
その他の障害・病気季節性情動障害は「季節性感情障害」「季節性気分障害」とも呼ばれ、冬季うつや季節性うつ病とも表現されることがあります。季節の変わり目がとにかく苦手、毎年冬になると気分がうつっぽくなるなら、それは季節性情動障害であるかもしれません。季節性情動障害は一般的なうつ病と異なる点もあるので見逃されがちです。
今回は季節性情動障害の特徴や症状、対処法などをお伝えします。
季節性情動障害の特徴
季節性情動障害は冬季うつと呼ばれるように、発症時期が秋~冬にかけて多いことから、日照時間の減少が原因であるといわれています。普通のうつ病では男女比は約1:2ですが、季節性情動障害は1:4の割合となり、圧倒的に女性がかかりやすい病気でもあります。そして日照時間が影響すると言われていることから、寒冷地に住んでいる人ほどかかりやすい病気です。
季節性情動障害は一般的なうつ病と異なり、過眠や過食が顕著に表れます。そして治療法も少し異なり、光照射療法がおこなわれます。
季節性情動障害の原因
上にも書いた通り、主な原因は日照時間の短さにあります。ただし、これは明確に解明されたものではありません。季節性情動障害の患者は多くが概日リズム(体内時計)がずれてしまっており、概日リズムは朝日を浴びることによってリセットされることから、原因とされています。
他にもセロトニンの低下やメラトニンの低下が原因であるという仮説もありますが、どの仮説も根拠が不十分なのが現状です。
季節性情動障害の治療・対策
季節性情動障害の治療・対策には次のような方法があります。
薬物療法
投薬での治療では、一般的なうつ病と同じ抗うつ剤を使った薬を使用します。よく使われるものでは抗うつ剤としてセロトニンの減少を防ぐSSRI(選択的セロトニン再取り込み妨害薬)があります。うつ病や不安障害の原因のひとつとして、脳のセロトニンが少なくなって起こると考えられており、SSRIを服用することで脳のセロトニンを増やすことが治療となります。
光照射療法
「光照射療法」は光治療とも呼ばれ、太陽光やそれと同等の光を浴びることで、体内時計を調節して身体のリズムを整える治療法です。
日常生活での改善方法
薬物治療や光照射療法を用いなくても、日常生活の中で取り組める方法もあります。
日光浴、具体的には晴れた日には1日30分~1時間ほど浴びるとよいとされています。通勤・通学時間に日の当たる道を歩いたり、カーテンを開けるなど様々な方法があります。
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