アメリカと日本の精神疾患治療の考え方の違い~ストレスに対しての捉え方

その他の障害・病気

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アメリカでは、 1990年に成立した「障害を持つアメリカ人法」通称ADA法という法律があります。障害を持つ人にとっての「公民権法」と呼ばれるような法律です。簡単ながらADA法とアメリカの精神医療、そして、日本の精神医療の考え方の違いについて紹介させて頂きます。

「障害を持つアメリカ人法」

ADA法は、1964年制定の公民権法が人種、性別、出身国、宗教による差別禁止をしているのと同様、障害を持つ人がアメリカ社会に完全に参加できることを保証したものです。

ADA法は、大きく4つの柱からなります。1.雇用 2.公共サービス 3.公共施設 4.電気通信からなります。1~3までは、日本でも2016年に障害者差別解消法が施行されており、ある程度どのようなものかをイメージしやすいのではないでしょうか?その代わり電気通信の平等はあまりピンとこないかも知れません。これは、オペレーターを通じて、声が聞こえる人と、聞こえない人を繋ぐサービスです。日本でも同じサービスが試験的に「日本財団電話リレーサービスモデルプロジェクト」として、2013年から2021年3月まで日本財団が運営していますが、それ以降は、国が引き継ぐ形になる様です。

アメリカのメンタルヘルス事情

アメリカでは成人の約5人に1人が精神疾患を経験しており、そのうち約25人に1人が深刻な疾患を患っていると言われています。診断名は多いものから、不安症、鬱病、双極性障害、統合失調症となっています。

アメリカの職場におけるメンタルヘルスケアのシステムでは、個人のプライバシーが尊重され、基本的に病状を人事部や所属の上司が知ることはありません。メンタルヘルスの専門家に診断を受けたのちに、人事部に自身が不調であることを伝えます。その後、人事部が契約している米国保険会社などの第三者機関に連絡します。連絡を受けた第三者機関は診断を出したメンタルヘルスの専門家に、復職後に必要な職場でのサポートついての指示を仰ぎます。その内容を第三者機関は人事部に伝えます。こうすることで職場の上司や人事部に症状の詳細を知られず、安心して専門家を訪れることができるようになっています

また、精神科の治療は二本柱で行われています。一つは投薬で、もう一つはカウンセリングです。精神疾患の種類やその症状によって、カウンセリングだけ、投薬だけ、もしくは二つを合わせてと状況によってアプローチを変えていきます。

またアメリカには「サイコロジスト」と呼ばれる職業があります。日本においていうと臨床心理士に近い職業と言えば分かりやすいかも知れません。日本の臨床心理士は、「病院臨床・産業心理・教育心理(スクールカウンセリング)・精神保健福祉・司法矯正・心理相談」と多岐に渡りますが、サイコロジストは「精神病理を持つ患者の診断・治療・教育」に特化しています。

サイコロジストは、精神科医による単剤投薬を主とした化学的治療方法とは違ったアプローチをするため、精神科医と並列的な立場で患者に対応します。ゆえにお互いの活動に刺激を受け合いながら、患者にとってより良い治療方法を模索していきます。日本の精神科での医者と患者だけの密室の関係とは違うこのアプローチが、日本の精神医療と大きく異なる点です。

アメリカと日本の比較~「心の病気」は「精神力」とは無関係

日本では法律に「障害者」という言葉が付きますが、アメリカでは「障害を持った人」という意味の、「with disabilities」という言葉が付きます。「人格」と「障害」は別であるということが強く意識されています。日本語ではいい表現が無い為、「障碍」「障がい」という言葉に置き換えられています。ADA法は、障害を持った人にとっての「公民権法」と呼ばれるような法律です。注目すべきは、「障害者」という言葉で一括りされていなく「障害を持った人」という意味の、with disabilities とされている点です。「人格」と「障害」は別であるということが強く意識されています。

日本で変化が起きたのは20世紀終わりごろに、日本の製薬会社で使われた「鬱は心の風邪」というキャッチフレーズを知っている方も多いのではないでしょうか?

誰にでもかかる可能性があるということを強調し、精神科受診への心理的ハードルを下げる効果を狙ったものしょう。実際に効果があったようです。その結果、患者数は4年で倍増し、抗うつ剤の市場は約6倍の規模に成長しました。

残念なことに、風邪のように「寝ていれば治る」、「休みを取れば治る」と世間が曲解してしまったという感は否めません。鬱病は軽度、中度、重度と症状によって分類されており、進行を防ぐための早期治療が勧められています。特に軽度の鬱病であれば薬を使わずともカウンセリングだけでの治療で十分でしょう。

しかし、中~重度になるとカウンセリングと薬の二本柱を用いた治療が不可欠になります。2週間以上、体の調子が悪くもし「精神的に辛い」と思ったら、すぐに病院に行く事をお勧めします。最初は精神科に行く事はハードルが高いと感じる人も多いと思います。体調が悪いと感じたら、かかりつけの病院、企業の医務室などでまず相談してみましょう。自分で判断せず、信頼できる医者に相談することが重要です。

アメリカ日本の精神科の意識の違いについて、簡単ながら紹介させて頂きました。日本でも精神医療に対して、理解が進みだしていますが、未だに偏見があるのも事実です。少しでも精神疾患に理解が進めば幸いです。

【マナビズ ストレスに正直な欧米人、控えめな日本人】
https://www.mana-biz.net

【障害を持つアメリカ人法の基礎 / Basics of the ADA】
https://www.christopherreeve.org/

【日本財団電話リレーサービスモデルプロジェクト】
https://trs-nippon.jp

【内閣府障害者差別解消法リーフレット】
https://www.cao.go.jp

【一般財団法人自治体国際化協会 米国のメンタルヘルスに関する取り組み】
http://www.clair.or.jp/

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tkbn

40代男性。30代半ばでうつ病を発症。40代になって発達障害の疑いありと診断される。就労支援機関で自分の特性について学び、最後の就活を終えコラムを書いています。趣味は鉱石収集。年2回大阪・京都で行わるミネラルショーや即売会に行って、気に入ったものをコレクションするのが楽しみですが、部屋で飾る場所が無くなっているのが最近の悩みです。

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