一般的な考えに飲み込まれない患者となる〜てんかんという現実から思う事

その他の障害・病気

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名前は知っているけど詳しくは知らない。そのような病名はたくさんあると思います。特にその中でなぜかマスコミはわずかな一点をとり上げて、その症状とマイナス面をつなげて放送します。それは昔から変わらず行われていて、他の病気では取り上げずになぜかその病名は大々的に出していく。

それは「てんかん」という症状です。

まだ世界中で大きな偏見があるのは事実です。マスコミの報道が偏見を肥大化させているように思います。もしかするとマスコミの人は「てんかんという名前を入れてたらいいだろう」と軽くやってるかもしれません。しかしそれが日本の約100万人を困らせています。

僕の再スタートは心地よい朝

人工呼吸器と脳波計測、心肺停止への電気ショックなど様々な機器がある集中治療室での目覚めでした。痛みやかゆみもありません。ただ最初に思ったのは「自分はもう死ぬんだな」という事です。

24歳の時、まだまだこれからだ、さらに進むためにと仕事を一生懸命やっていた時です。倒れた時は朝四時ぐらいのファーストフード店でした。会社から家に帰る時、とにかくなんか食べなくちゃと行ったお店で突然倒れます。

僕は働きすぎて脳炎なり、それが原因でてんかんと高次脳機能障害を発症しました。倒れてから3日間意識不明の状況。医師が「この薬で目が覚めなかったらもうだめです」そう言われて体に打ち込んだ薬がなんとか自分の目を覚まさせてくれました。

しかしその時に僕が感じるのはすべてがおかしい状況です。何がどうなっているのか、なぜ自分は呼吸器やらなんやら打ち込まれているんだ、喋れない、体が動かない、周りのすべてが何か理解できない。。。それが僕の人生の再スタートです。発作や記憶障害、身体障害、すべてがバラバラにつながっています。それが僕の人生に向けて始まる治療とリハビリでした。

まず知ってほしいのは薬の治療でコントロールできる

てんかんと言う症状は痙攣発作を起こす障害だと思われています。確かにその発作もありますが他にも様々な症状があります。そしてその大半は薬を飲めば止める事ができると言う事。もちろん止まれば普通の生活を送れますし、なんの問題もありません。だからしっかり治療を続けて、一般的な生活を送ることが一番です。近年製薬会社は様々な症状に合う多くの薬を出しています。だからこれまでより止める事が出来るようになっています。そして治療は海外で進んでおり、手術や機械をつけるような治療法も増えてきています。様々な種類で発作が止められる時代、だからこそより良く進んで行きましょう。

より良く生活を送るにはどうするのか

僕は簡単には止める事ができない難治性てんかん発作です。目が覚めてから14年、その間に様々なことがあり、アップダウンはたくさんあります。しかし僕の持つ一つのポイントは「決めて動くのではなく、動いて決める」という行動視点です。人間動いて決めるのは生まれてからすでに行っています。その根本の話になってきます。

確かにてんかんへの偏見はヨーロッパ・アメリカ・アフリカ色々な場所でなぜか同じくあります。アメリカは250万人のてんかん患者がいるのが知られています。それに関係する家族を含めると相当な数になりますよね。日本の患者数は100万人と言われており、そしてこれから高齢者てんかんが増えていくと言われてます。

患者数は決して少ない数ではありません。だからこそ患者本人が自分からてんかんとは何なのかを知る必要が有ります。そして多方面への小さな変化が必要にもなります。本人が生きて進むための自己環境への変化です。

自分から行くという覚悟、その積極性が自分を作り自分自身への信頼を作ります。確かに一つのきっかけとして人に紹介されて行動する事もあると思います。それでも自分から進むという事が自分の生活での質を向上させます。

患者と家族は一般的に認知されている偏見にのめり込むのではなく、その偏見は間違いの塊だという知識を自分から持ちましょう。そして自分の行動に考えをプラスして、そこから動いた経験を作ります。それらが治療やこれからの生活を良くする一つの手段です。

大下 剛史

大下 剛史

てんかん障害、高次脳機能障害でアレコレ覚えられなかったり、考えがまとまらなかったりします。精神障害の一級ですが性格は基本的に楽天的な沖縄人です。経験としては20代前半で海外20ヵ国に行ったりしてます。しかし障害は14年以上あり、てんかん発作で倒れて頭蓋骨骨折や脳出血経験あり。だけどやらなきゃ進まないと海外で学び、行動したら返ってくるそれらの事を進めています。

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