良質な睡眠を取り、睡眠障害を改善するために必要なこと

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発達障害の主な二次障害にうつ病があります。うつ病にかかっている患者の82パーセント以上が睡眠障害に悩まされているという報告があります。いったん睡眠障害に陥ると、正常な日常生活を送れなくなるので、睡眠障害は非常に深刻です。睡眠のことで悩んでおられる方は「毎晩、良質な睡眠を取るために、何をすれば良いか」を知りたいと思っていることでしょう。そこで、今回は、10年以上睡眠障害に悩まされ、克服できた私の体験を通して、良質な睡眠を取るのに必要なことをご紹介したいと思います。

睡眠障害の種類

睡眠障害には「不眠」と「過眠」があります。不眠は十分に眠れない症状で、過眠はどんなに眠っても疲れが取れず、いくらでも寝てしまう状態が1ヶ月以上続く症状です。不眠には、なかなか寝付けない「入眠障害」、夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」、早朝(普段よりも2時間以上も早く)目が覚めてしまい、再び眠ることができない「早朝覚醒」、眠りが浅くなる「熟眠障害」があります。このうち、私が特に悩まされたのは入眠障害と早朝覚醒、それと過眠です。

睡眠障害に悩まされるようになった私の体験

私は高校生の頃、学校の敷地内にある寮に入っていたのですが、そこでいじめの被害に遭い、2年生の9月に高校を中退しました(「自閉症スペクトラム障害といじめ〜いじめ防止のために必要なこと」を参照)。中退後、日常生活から「決まった時間に起床し、朝食を摂り、登校し、学校で過ごし、下校し、入浴し、夕食を摂り、勉強し、就寝する」というルーティン・ワークがなくなりました。寮ではある程度、起床や朝食や登下校、夕食や学習や就寝の時間が決められていましたので、時間を意識して規則正しい日常生活を送れていたのです。

その上、小学校・中学校・高校とずっといじめられてきたので、その体験が激しくフラッシュバックするようになり、現在もお世話になっている精神科医の先生の診察を受け始めました(「日本人が「精神科受診」や「心の病気」に対して抱く誤解と偏見」を参照)。この先生からは「抑うつ状態」だと診断されました。うつ病にかかっている患者の82パーセント以上が睡眠障害に悩んでいるという報告があるほど、うつ病と睡眠障害とは密接な関係にあるのです。

私は三浪の末、東京の私立大学に合格しましたが、入学を目前に控えた3月30日に、受験勉強のプレッシャーから解放され、「やっと大学が決まった」と安堵感(あんどかん)を抱いたことから、5時間以上もの昼寝をしてしまいました。この昼寝のせいで、昼夜逆転の生活に陥りました。

大学の4年間で私が悩まされたのは、入眠困難と昼夜逆転でした。とにかく、夜中の3時になっても眠れず、昼の1時〜2時頃まで寝ているという日々が続きました。このような状態で就職活動など出来るはずもありませんので、大学を卒業後、別の大学の大学院の修士課程に進学しました。しかし、入眠困難と昼夜逆転が治るどころか、新たな主治医に処方された薬の副作用で、日中の過眠と毎朝4時台〜5時に目が覚める早朝覚醒にも悩まされるようになりました。この主治医には、過眠と早朝覚醒の症状を何度も伝えましたが、睡眠障害は一向に治らず、教授からの理解も得られずで、本来ならば2年間の修士課程を修了するのに倍の4年掛かりました。

修士課程を修了後、さらに別の大学の大学院の博士課程に進学しました。博士課程では、基本的に授業に出席する義務はなく、下宿(この時も一人暮らし)で論文を執筆し、担当教授にメールでアポを取り、指定された日時に指導を受けるという日々が続きます。博士課程在学中の生活は、下宿で論文を執筆することだけがやるべきことで、学校に毎日通うことがなかったので、義務感を抱きにくく、一人暮らしということもあり、だらけがちでした。この頃は特に、時間を意識したルーティン・ワークが乏しかったと言えます。

また、博士課程在学中に教育実習も体験しましたが、睡眠障害のために遅刻や欠席をしていたので、教員免許は取れませんでした。

結局、大学生・大学院生としての生活は10年以上にも及びましたが、プロフィールにもありますように、博士号が取れなかったことから、それまで主治医(現在および初診時の先生。大学・修士課程時代は別の医師にかかっていましたが、現在の主治医の先生には頻繁に電話で相談に乗って頂いていました)の方針で「保留」のままだった自閉症スペクトラム障害の診断を受け、現在は毎日、就労移行支援事業所に通っています。おかげさまで、今では睡眠障害を克服できています。

良質な睡眠を取るために必要なこと

少し長くなりましたが、長年睡眠障害に悩まされ、克服するに至った私の体験から、良質な睡眠を取るために必要なことを挙げてみたいと思います。

①ルーティン・ワーク

就労移行支援事業所や職場に通う生活を送ることで、毎日決まった時間に起床するようになります。また、就労移行支援事業所や職場で作業や仕事に取り組むことで、日中に眠れないようになるため、体内時計が正常化されます。

②規則正しい生活

ルーティン・ワークをこなすために、「何時までに就寝する」と決めておく必要があります。大学生・大学院生時代は時間的制約がほとんどなかったので、規則正しい生活を送るのが難しかったです。夜更かしをせず、朝日を浴びる必要もあります。朝の太陽の光を浴びると、体内時計が正常化するからです。

③適度な運動

大学生・大学院生時代には、ほとんど運動をしませんでしたが、就労移行支援事業所に通うようになってから、毎日、1万歩以上歩くようになりました。毎日、ウォーキングのような有酸素運動を行う習慣をつけると、体が疲れるので、夜に寝付きやすくなります。

④自分に合う眠剤

大学生・大学院生時代に、主治医が2回変わったので、処方に従って眠剤を飲むだけでは睡眠障害は克服できませんでした。主治医が変わることによって、投薬方針も変わるからです。博士課程在学時には、初診時(そして現在)の主治医に再びかかるようになりましたが、何度も処方が変わり、睡眠障害が治りませんでした。最終的に、私が睡眠障害を克服できたのは、現在の主治医にシクレスト舌下錠(ぜっかじょう)という新薬を処方してもらうようになってからです。睡眠障害が治らない場合は、定期的に診察を受けて主治医に相談してください。なお、眠れないからといって、アルコールを摂取してはいけません。アルコールを摂取すると、睡眠の質が悪化するからです。

終わりに

以上、良質な睡眠を取るために必要なことをご紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?「主治医の先生にシクレスト舌下錠を処方してもらったこと以外は、当たり前のことだ!」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、睡眠障害は薬だけではなく、日々の努力と心掛けがないと克服するのは難しいと思います。このコラムが少しでも睡眠障害に悩む方の役に立てば嬉しいです。

参考文献

シオノギ製薬・日本イーライリリー、「うつ病のからだの症状」
http://utsu.ne.jp

サンライズ

サンライズ

40代の男性。2年生で高校を中退。その年にメンタルクリニックを受診し、抑うつ状態と診断される。うつ病と闘い、自身の発達障害を疑いながら博士課程に進学するも、博士号は取れずじまいで単位取得満期退学。これを機に、それまで主治医の方針で「疑い」のまま保留になっていた自閉症スペクトラム障害の診断を受ける。現在は一人暮らし。趣味は読書、音楽(邦楽)観賞、YouTube、クイズ番組を観ること。

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